「ボルネオ民族誌研究会」開催のお知らせ

以下の要領で研究会が開かれますので、お知らせします。
(主催:桜美林大学・リベラルアーツ学群・文化人類学専攻)

「ボルネオ民族誌研究会」
【日時】2011年12月16日(金)14:30~16:30
【場所】桜美林大学町田キャンパス 崇貞館B335

【発表1】
話者:奥野克巳(桜美林大学 LA学群文化人類学専攻・教授)
話題:森のなかの不在と実在の民族誌―ボルネオ島狩猟民プナンにおける人と自然―
概要:プナンは、森のなかに実在する痕跡(uban)から、不在となった動物や死者を探索したり、想起したりする。
「いまとここ」の不在の時点から、過去の実在を想うとき(tawai)、彼らの感情は揺さぶられ、乱される。
さらに、プナンは、消え去ってしまって、今や存在することがない人間や事物に対して控えめで、慎み深い表現(ngeluin)を与える。
本発表をつうじて、プナンが人と人だけでなく、人と自然の景観や事物の間にも深い情緒的な絆を築いていることが示されるであろう。

【発表2】
話者:長谷川悟郎(桜美林大学 基盤教育院・非常勤講師)
話題:称号化される模様意匠―ボルネオ島イバンの染織模様の命名体系を考察―
概要:イバンの染織模様には書き記せば数行から数ページにもおよぶ長文の題名が付される。そしてそれはイバンの間で差別化され広域に知れ渡る称号となる。
染織布はおよそ1960年代から国際市場に流通し始め注目されてきたが、その題名についてはGavin(1996, 2003)の研究までほとんど知られてこなかった。
これまで通説化されてきたイバン社会の平等主義とイバン女性の機織りにおける階層制度は相反する議論であったが、本発表は、むしろ功績主義やメリトクラシーといった側面から、フィールドデータと合わせて染織模様の命名体系を考察する。

【問い合わせ先】奥野克巳 okuno@obirin.ac.jp
主催:桜美林大学・リベラルアーツ学群・文化人類学専攻
共催:科研費研究基盤S
「東南アジア熱帯地域におけるプランテーション型バイオマス社会の総合的研究」
(代表者:京都大学・東南アジア研究所・石川登)、自然と社会研究会

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