Jelalong川流域調査(1) 祖田 亮次
Jelalong川流域調査(1)
2011年2月26日~3月9日 参加者:石川 祖田 市川(哲) 甲山 生方 石川氏は2月26日、祖田は2月28日にクチンに入り、調査許可関係の書類原本を受け取ると同時に、申請段階でお世話になった各機関、個人(森林局、SFC、SPF、Zedtee、UNIMASほか)に、数日間かけて報告と御礼の挨拶廻りをした。 3月4日からは、市川哲氏、生方氏、甲山氏、ロギー氏と合流して、Jelalong川調査を開始した。今回の目的は、Jelalongの民族混淆状況に強い関心を持つ市川哲氏、Kemena川、Jelalong川の流況調査を行う甲山氏、オイルパーム・ プランテーション拡大の現地への影響を視察する生方氏をエスコートし、今後の調査の足掛かりを作ることであった。 今回の主な訪問先は、Rh. Udau¹(イバンとプナンの混淆ロングハウス)、SK Sg. Kebulu小学校、Rh. Jusong(華人の養子が村長を務めるプナン・イバン混淆ロングハウス)、Rh. Resa(ムスリム化したプナンが混在しているロングハ ウス)、Tubau近く の知人宅(イバン)などである。河川水量が予想以上に少 なかったため、計画していたRh. Awan、Rh. Abangまでの遡上は不可能であった。 宿泊したRh. UdauとRh. Jusongでは、集落の履歴と、世帯ごとの民族混淆状 態などを聞き取りした。しかし、選挙関係の会合がビントゥルやクチンで開かれており、どこも村長不在であったため、十分な調査ができたわけではな い。とくにRh. Resaではほとんど情報を得られなかった。一方、流況調査に関 しては、Kebulu川との合流点にあるSK Sg. Kebulu小学校で、降雨前後の水位変化の状況を目視できたほか、次回以降、小学校の桟橋に水位計を設置させてもらうことを約束できた。また、Tubau近くの知人宅では、個人使用の桟橋に水位計を設置した上で、三次元流速計によって河川断面や流量・流速など を計測した。 また、移動途中の各所では、オイルパーム・プランテーションの経営主体の確認、ツバメ・ハウスの観察および関係者への聞き取り、華人-先住民関係に関する聞き取りなどを随時行った。ビントゥルに降りてからは、鮫島氏と合流した上で、2グループに分かれ、いくつかの役所・図書館などを訪問し、情 報収集を行ったほか、Anap-Muputへの訪問準備でビントゥル入りしていた小泉氏とも情報交換を行った。 石川氏、生方氏、甲山氏、ロギー氏、祖田は3月9日にサラワクを離れた。鮫島氏、市川哲氏はその後もしばらくサラワクにとどまり、鮫島氏は奥野氏と プナンの調査を、市川氏は藤田氏、ダニエル氏とツバメ関係の調査を行った。¹Rh.=Rumah(村)の略。村長の名を冠して呼ばれる。 例)Rh. Udau=Udau氏が村長の村。村長が代替わりするとそれに応じて村の名称も変更される。