2010年8月までの活動記録
京都(2010 年6 月30 日)
本プロジェクトのスタートにあたって、6月30日に、科研基盤S の運営にも詳しい、田中耕司氏・柴山守氏から、さまざまな注意点を含めた、長期的なプロジェクトの推進方法についてのレクチャーを受けました。研究の進め方に加え、各種の手続き等の事務的側面を含めた、非常に詳細で有益な示唆を得ることができました。
京都(2010 年7 月15日)
第1回目の会合を踏まえて、7月15日にはメンバー全員での認識共有を図るべく、京都で打合わせを行いました。会合では、リーダーの石川氏ほか数名から、本プロジェクトの基本的なコンセプトの提示、調査地の概要説明を行った後、調査の進め方や、具体的な研究計画、成果の発表方法、目指すべきゴールなどについて検討しました。
東京(2010年7月19日)
7月15日の京都での打合わせに参加できなかった関西圏外のメンバーとの対話を進めることを念頭に、会合の趣旨は変えることなく、東京でもミーティングを行いました。京都の会合での議論をたたき台にできたこと、京都とは異なる参加メンバーから新たな視点が提示されたことなどから、議論をより深めることができたと思います。東京でのミーティングでは、文理融合のあり方について、かなり具体的な案が提示されました。
クチン(2010年7月26日-8月3日)
プロジェクトはスタートしたものの、サラワクでの現地調査を開始するには、調査許可の取得が不可欠です。プロジェクトにとっては、この調査許可の取得が、最初にして最も困難なハードルであるとの認識がありました。従ってこの7月末からのクチン訪問は、調査許可申請のための土台作りを目的としておりました。
クチンでは、サラワク大学UNIMAS(学長室、生物多様性環境保全研究所IBEC、および東アジア研究所IEAS)、サラワク博物館Sarawak Museum、サラワク森林局FD、サラワク森林公社SFC、生物多様性調査センターBRC、自然資源環境局NREB、サラワク木材組合STA、サラワク植林公社SPFなどを精力的に訪問しました。
それぞれの場所で、現地関係者と会議・会合を持ったほか、ゼッティ社Zedtee Sdn Bhd (タタオ水系のAnap-Muput 地区で持続的森林管理を行っている伐採会社) の社長・役員や、トゥン・ジュガ基金Tun Jugah Foundation (イバン研究・文化保全の拠点) の研究者らとの面会・会食等も行いました。
アカシア植林事業を進めるSPF 社や、環境配慮型の伐採を行っているZedtee 社からは、サラワク州企画庁State Planning Unit(SPU) からの調査許可さえあれば、彼らの操業地区内での調査も可能であるとの回答をいただきました。また、それ以外の公的機関や大学では、SPU およびFD への調査許可申請の方法や、申請書の内容についてのアドバイスをもらい、これまでのサラワク研究にはない新しい調査研究に対する理解と支援を得ることができました。