中口 義次 (なかぐち よしつぐ)

所属部門:人間生態相関研究部門

職  名:連携准教授

専門分野:病原細菌学、分子遺伝学、分子疫学

E-Mail:naka1973[at]cseas.kyoto-u.ac.jp

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研究関心:

  1. 東南アジアで流行する下痢症とフィールドワークを融合した地域感染症学
  2. 世界的に拡大する魚介類の生食習慣により重要となる腸管感染症研究
  3. 伝統食品の現代化によって新たに生じた健康リスクの原因究明

研究概要:

     「食」、「感染症」、「地域」をキーワードとして以下のような研究活動を展開している。まず、「東南アジアで流行する下痢症とフィールドワークを融合した地域感染症学」については、タイ、インドネシア、ベトナム及びマレーシアのフィールドで腸管感染症の原因菌と食品の関係について実験室レベルでの遺伝子解析と社会科学的な視点でのフィールドワークを通してそれらの関係を紐解く研究を展開している。次に、「世界的に拡大する魚介類の生食習慣により重要となる腸管感染症研究」については、近年、世界的に健康志向を背景とした魚介類の生産及び消費拡大を受けて、魚介類の生食とそれにより引き起こされる感染症が注目されている。そこで、世界規模で拡大する魚介類の生食習慣と腸炎ビブリオ感染症の関係を統計資料、遺伝学的な実験及びフィールドワークを通してグローバルな視点で研究を展開している。最後に、「伝統食品の現代化によって新たに生じた健康リスクの原因究明」については、日本では古くから塩を用いた食品の保存方法が受け継がれ、そのような食品は塩蔵食品といわれている。四方を海で囲まれた日本では水産魚介類を利用した様々な塩蔵食品が日本各地で作り出されてきた歴史がある。近年の減塩志向の影響から、それら塩蔵食品でも減塩化がすすみ、そのために食品の保存性が低下し、それら食品では腐敗菌や食中毒菌の増殖が抑えることができない新たなリスクが生じている。そこで、近年市販されている現代型の塩蔵食品についての安全性について、細菌学的な視点から研究を展開している。また塩蔵食品は広くアジア地域で見つかっており、それら食品についても本研究の対象として取り上げることを考えている。

論  文:

著者名 タイトル 年月
Tan Turk Hsern Malcolm, Yoke Kqueen Cheah, Che Wan Jasimah Wan Mohamed Radzi, Farihah Abu Kasim, Haresh Kumar Kantilal, Tang Yew Huat John, Jaime Martinez-Urtaza, Yoshitsugu Nakaguchi, Mitsuaki Nishibuchi, Radu Son Detection and Quantification of Pathogenic Vibrio parahaemolyticus in Shellfish by Using Multiplex PCR and Loop-Mediated Isothermal Amplification Assay 2015
Food Control, 47:664-671
Ahmad Yaman Kayali, Oscar Escalante-Maldonado, Varaporn Vuddhakul, Kazuko Seto, Yoshitsugu Nakaguchi, Mitsuaki Nishibuchi Development of a Method for Detection of Shigatoxin-Producing Escherichia coli Belonging to Clinically Important Twelve O Serotypes Based on the Combination of Pickpen-Assisted Immunomagnetic Separation and Loop-Mediated Isothermal Amplification 2015
International Journal of Immunology and Immunotherapy, 2(1):1-7
Siriwan Sirikaew, Pattamarat Rattanachuay, Yoshitsugu Nakaguchi, Pharanai Sukhumungoon Immuno-magnetic isolation and characterization and genetic relationship of Escherichia coli O26 from raw meats, Hat yai city, Songkhla, Thailand 2015
Southeast Asian Journal of Tropical Medicine and Public Health, 46(2): 241-253

 

研究プロジェクト :

研究プロジェクト名
[助成機関]
研究代表者 期間
食のグローバル化時代における魚介類の安全性確保と食中毒菌の疫学情報の先進的利用
若手研究(A)
中口 義次 2013 - 2016
研究概要
 世界規模での食のグローバル化により、日本への輸入食品が増大する一方で、それに対する安全性対策は追いついていない。最近の統計資料によると、食料自給率はカロリーベースで40%を下回り、生産額ベースでも60%後半に留まっている。そのような中で、輸入食品による事件は大きく報道され、日本国民の大きな関心事となっている。また周辺を海で囲まれた日本は水産資源に恵まれているが、様々な問題からその自給率は大きく低 [ Read More ]
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