奥宮 清人 (おくみや きよひと)

所属部門:人間生態相関研究部門

職  名:連携教授

専門分野:フィールド医学、老年医学、神経内科学

E-Mail:okumiya[at]cseas.kyoto-u.ac.jp

個人WEBページ


研究関心:

  1. インドネシア・パプア州における神経難病の時代的な環境変化に伴う変遷
  2. 人の生老病死と高所環境─「高地文明」における医学生理・生態・文化的適応
  3. 土佐町地域在住高齢者の包括的機能の予防

研究概要:

インドネシア、パプアは、グアムや紀伊とならんで、1970年代に神経難病の多発(世界平均の100倍以上)が報告された。グアムや紀伊は、社会の近代化とともに、急激に神経難病の減少と病型の変化が認められたが、最近のパプアの状況は不明であるため、それを明らかにすることを目的とした。多発地域住民の検診により、神経難病の種類、病型と頻度を把握し、毎年追跡調査した。2001 年より2015 年までの調査で、神経難病は以前より減少しているものの、世界平均と比較すると、依然高頻度であった(世界平均の約20倍)。病気の発生年齢の高齢化が認められ、市街部では、病型の変化している可能性が示された。他の多発地域と同様に、パプアにおいても、神経難病の減少と病型の変化や高齢化が認められ、社会、環境変化の影響の可能性が考えられた。共同研究機関のCenderawasih Universityの主催する、国際会議(International Conference on Social Science & Biodiversity of Papua & Papua New Guineaに出席し、上記の成果を発表、議論した。

論  文:

著者名 タイトル 年月
Kiyohito Okumiya, Ryota Sakamoto, Yasuko Ishimoto, Yumi Kimura, Eriko Fukutomi, Motonao Ishikawa, Kuniaki Suwa, Hissei Imai, Wenling Chen, Emiko Kato, Masahiro Nakatsuka, Yoriko Kasahara, Michiko Fujisawa, Taizo Wada, Hongxin Wang, Qingxiang Dai,9 Huining Xu, Haisheng Qiao, Ri-Li Ge, Tsering Norboo, Norboo Tsering, Yasuyuki Kosaka, Mitsuhiro Nose, Takayoshi Yamaguchi, Toshihiro Tsukihara, Kazuo Ando, Tetsuya Inamura,Shinya Takeda, Masayuki Ishine, Kuniaki Otsuka, Kozo Matsubayashi Glucose intolerance associated with hypoxia in people living at high altitudes in the Tibetan highland 2016
BMJ open, 63(5)
Okumiya K, Sakamoto R, Ishikawa M, Kimura Y, Fukutomi E, Ishimoto Y, Chen WL, Imai H, Kato E, Kasahara Y, Fujisawa M, Wada T, Ishine M, Kosaka Y, Nose M, Yamaguchi T, Tsukihara T, Otsuka K, Norboo T, Matsubayashi K. J-Curve Association Between Glucose Intolerance and Hemoglobin and Ferritin Levels at High Altitude. 2016
J Am Geriatr Soc, 207-10
奥宮清人、Tsering Norboo、坂本龍太、木村友美、
福富江利子、石川元直、諏訪邦明、小坂康之、野瀬光弘、
山口哲由、月原敏博、大塚邦明、松林公蔵
ラダークの高血圧の疫学研究:高度と生活変化の相互作用 2016
ヒマラヤ学誌 16: 105-115
奥宮清人、福富江利子、Tsering Norboo、坂本龍太、
木村友美、石川元直、諏訪邦明、小坂康之、野瀬光弘、
山口哲由、月原敏博、大塚邦明、松林公蔵
ラダーク高所農・牧民と市街移住者における、うつとQOLの健康関連要因の比較 2016
ヒマラヤ学誌 16: 94-104

 

研究プロジェクト :

研究プロジェクト名
[助成機関]
研究代表者 期間
コミュニティーで支える高齢者ヘルスケアー・デザインー国際地域比較研究—
基盤研究(A)
松林 公蔵 2011 - 2014
研究概要
 人口の高齢化はグローバルな現象であり、アジアでは急速に、アフリカでも緩やかに進行しています。高齢者の安心・安寧にとって、最重要な課題はコミュニティーにおける健康増進とケアです。本研究では、75歳以上の後期高齢者が約3割と「高齢者の高齢化」が著しい高知県土佐町を基点として、東南アジアで高齢化のスピードが速く高齢者保険制度の導入を計画しているタイ、伝統的な家族・親族、地域共同体を中心とするヘルスケア [ Read More ]
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