東南アジア地域文献の資料論的研究──ハンノム文献を中心として──


H29-30課題

研究代表者:清水政明(大阪大学大学院言語文化研究科)

2019 年7 月9、10 日の2 日間、ハンブルク大学写本文化研究センター(CSMC)で開催されたワークショップ「漢字系文字とその写本研究の新たな方向性」(New Directions in Research on Sinoxenic Scripts and Manuscripts)にて、IPCR 課題の成果として「京都大学所蔵漢喃仏典」(Buddhist Scriptures Written in Chinese and Vietnamese Chu Nom Preserved at the Library of Kyoto University)を報告した。107 部のテキストからなるコレクションのうち『仏説天地八陽経』を取り上げ、料紙研究の成果を用いた出版時期の推定、所収チュノムの音韻的特徴の分析による当該資料の方言性を指摘した。また、チュノムという文字の持つ一般的な特徴にも言及し、ワークショップで取り上げられたその他の漢字系文字(古壮字、ヤオ文字、粤語方言字等)との比較研究の可能性についても議論された。

 


ハンブルク大学写本文化研究センターにて

ハンブルク大学写本文化研究センター

ハンブルク大学写本文化研究センター