II-1.「持続可能な資源管理のための土壌マッピングと土壌ダイナミクスモデリングに関するWeb-GISシステムの開発」(平成23-24年度 FY2011-2012 継続)


  • 研究代表者:Venkatesh Raghavan(大阪市立大学・大学院創造都市研究科)
  • 共同研究者:河野泰之(京都大学・東南アジア研究所)
  • 柴山 守(京都大学・地域研究統合情報センター)
  • 米澤 剛(大阪市立大学・大学院創造都市研究科)
  • Song Xianfeng(中国科学院研究生院・環境資源学科)

研究概要

東南アジアにおける森林伐採や農業活動に起因する土壌浸食は、モンスーン気候の山間部を中心にごく短い周期で土地の性質を大幅に変化させている。この問題の解決には、土地利用計画と水資源管理の視点から土壌の変化を時間と空間的に理解することが重要になってくる。本研究では、GIS とリモートセンシング技術を用いた時空間データベースを構築し、土壌マッピングと土壌ダイナミクスモデリングに関するWeb-GIS システムの開発を行う。

詳細

土壌の性質は地質学、景観、土地利用、土地被覆、水文学や農業などさまざまな地理的な環境パラメータが関連している。土壌の専門家はGIS やリモートセンシング技術、現地調査データを用いて土壌の時間的かつ空間的なダイナミクスを考えている。しかしながら、現在の土壌がどのように変遷されてきたかを示す土壌変遷マップをどのように作成してきたのかが明確でないため、これらのシステムの共有化やオープン化を考慮することは極めて重要であると考える。本研究では、リモートセンシングデータを用いて検出した最新の土壌情報を土壌マッピングシステムとして可視化し、土壌のダイナミクスを時空間的に共有するフレームワークを開発することである。

本研究で提案するプラットフォームは、国際標準として使用されているオープンソース地理空間ソフトウェアを使用するためさまざまな分野への応用利用が可能である。本研究で構築する具体的なシステムは次の2点である。(1)地質データやDEM などの地形データ、リモートセンシングを用いた土地利用の変遷データ、現地計測データ等を含めた基盤データの空間データベース設計、(2)リモートセンシングデータを用いた画像処理から土壌の変遷や土地利用を分析、解析するための地理空間データ処理システムの構築。本研究ではこのシステムを具体的に中国とベトナムのテスト地域へ適用し、この研究成果は環境モデリングのためのパラメータとして土地管理等へ応用することができる。


地形分類の例

リモートセンシングデータを用いた土地利用分析