IV-7.「東南アジアにおける社会・生態レジリエンスに関する地域間比較研究」(平成25-26年度 FY2013-2014 継続)


  • 研究代表者:内藤大輔(国際林業研究センター)
  • 共同研究者:甲山 治(京都大学・東南アジア研究所)
  • 阿部健一(総合地球環境学研究所・研究高度化支援センター)
  • 柳澤雅之(京都大学・地域研究統合情報センター)
  • 久米 崇(愛媛大学・農学部)
  • 富田晋介(ペンシルバニア州立大学)
  • 生方史数(岡山大学・農学部)
  • 嶋村鉄也(愛媛大学・農学部)
  • 石本雄大(総合地球環境学研究所・研究部)

研究概要

東南アジア地域では、地域住民が多様な生業形態を持っていることが多く、農外就業もさかんにおこなわれている。そのような社会環境のなかで、社会・生態レジリエンスをどのように捉えればいいのだろうか。これまでレジリエンス研究は概念的な研究が先行しており、東南アジアでは実証的な研究が十分行われているとはいいがたい。東南アジアに代表される柔軟性な生業活動、重層的なセイフティーガートを持つ地域社会において、自然災害や環境変動、社会変容などのショックに対して、地域住民がどのような対処行動を行うのか、社会・生態レジリエンスを実証的に検証するための評価、測定、分析手法を検討したい。

詳細

本共同研究では、これまで東南アジアをフィールドに研究してきた研究者を中心に、また自然科学分野の研究者との学際的な研究により、蓄積されてきたデータを元に地域間比較を行うことで、東南アジアにおける実証的なレジリエンス研究を検討する機会としたい。東南アジアにおいて、これまであまり実証的な研究がなされてこなかったレジリエンス研究について、東南アジア地域で長期フィールドワークを行ってきた研究者が蓄積してきた研究データを元に分析し、地域間比較を行い、統合的な理解につなげたい。

今年度は6 月頃に研究会を開催し、『東南アジア研究』の特集号出版に向けた論文原稿を準備し、メンバー間で読みあい、精査する。12 月に第2 回研究会を開催し、最終稿を仕上げるとともに、序章に関する議論を行い、東南アジアにおけるレジリエンス論のあり方に関する議論を行う。なお各回には国内外でレジリエンス研究に携わる講師を1 人ずつ招聘し、話題提供をしてもらい、議論を深めたい。

これまで概念的な研究の多かったレジリエンス論に対し、地域研究をベースとした実証的な調査による研究手法の先行事例を提供する。また東南アジアだけでなく、アフリカとの地域間比較を行うことで、社会・生態レジリエンスの理解を深め、汎用性のある研究方法を提供したい。研究成果は『東南アジア研究』の特集号として東南アジアにおける社会・生態レジリエンス研究に関するテーマを取り上げたい。


ムラピ山の噴火により埋まった家

噴火で出てきた土砂を集める人々