- 研究代表者:菊池陽子(東京外国語大学・総合国際学研究院)
- 共同研究者:武内房司(学習院大学・文学部史学科)
- 笹川秀夫(立命館アジア太平洋大学・アジア太平洋学部)
- 矢野正隆(東京大学・大学院経済学研究科・経済学部)
- 長田紀之(日本貿易振興機構アジア経済研究所・地域研究センター動向分析研究グループ)
- 小林磨理恵(日本貿易振興機構・アジア経済研究所・図書館)
- 土佐美菜実(日本貿易振興機構・アジア経済研究所・図書館)
- 小泉順子(京都大学・東南アジア研究所)
- 大野美紀子(京都大学・東南アジア研究所)
- 木谷公哉(京都大学・東南アジア研究所)
研究概要
東南アジア大陸部主要5 カ国語──タイ・ラオス・クメール・ビルマ・ベトナム──は、ベトナム語を除きインド系文字が使用されており、現行ICT 環境において当該文字及びそのメタデータの表記と検索が難しいため、資料情報の共有化がなされていない。本研究は、日本国内及び東南アジア大陸部諸国の研究機関所蔵の文字資料について、ICT 環境におけるメタデータ公開状況を調査し、資料情報共有化の現状と課題を分析・検討した報告書を公開し、東南アジア諸語資料利用環境の向上に資する。
詳細
東南アジア大陸部文字資料は、オンライン図書目録データベース(以下OPAC と略)・リポジトリ・デジタルアーカイブで公開されているが、現行ICT 環境において文字フォントが搭載できない、ユニコード外のフォントが混在している、原綴ではなく翻字で表記されている、資料情報記述が不正確あるいは不統一等の支障があるため、資料へのアクセスを妨げ、ひいては東南アジア研究の阻害要因となっている。本研究は、日本国内及び東南アジア大陸部諸国の研究機関が所蔵する東南アジア大陸部文字資料について、ICT 環境におけるメタデータ公開状況を調査する。調査によって、1)内外の東南アジア研究主要機関の文字資料所蔵量とその提供及び利用状況の総体を把握し、2)ICT 環境上のメタデータ公開に係る課題検討のための研究会を組織し、3)調査結果に基づき資料情報共有化の諸課題を分析・検討する。
本研究では、直近の成果として、1)東南アジア大陸部文字資料の所蔵及び公開状況の調査により、未公開のものも含めた内外の当該資料の総体が把握できるようになり、2)研究会を通じて実務レベルでのメタデータ作成環境の向上によりメタデータ精度・登録数が向上し、利用者にとって必須の学術情報の基盤整備につながるものと考えられる。また、研究過程における国内外東南アジア研究機関間の連携ネットワークを強化し、資料情報を共有することによって、研究者・実務担当者間の情報交換を促進し、ひいては関係機関間における当該文字資料の分担収集への土台を築くことをめざす。
ラオ語図書館データベースについて聴取 |
ラオス国立大学図書館にてラオ語OPACを実見 |