日時:2018年2月15日(木), 16日(金)
場所:
2月15日(木)京都大学稲盛財団記念館 3階小会議室Ⅱ 16:00-18:15 タイプⅥ
2月16日(金)京都大学稲盛財団記念館 3階大会議室 9:00-17:40 タイプⅠ~Ⅴ
プログラム:
2月15日(木) 3階小会議室Ⅱ 16:00-18:15
16:00 開会・趣旨説明 小泉順子(京都大学東南アジア地域研究研究所)
セッション1
16:05 – 16:20 終了課題Ⅵ-1 千田沙也加・名古屋大学大学院教育発達科学研究科
「カンプチア人民共和国期の機関紙『カンプチア』にみる社会主義教育の理想像」
16:20 – 16:35 終了課題Ⅵ-2 川本佳苗・龍谷大学大学院文学研究科
「『メー・ナーク』:現代タイの仏教観と女性像を体現するオペラ・ヒロイン」
16:35 – 16:50 終了課題Ⅵ-3 石橋弘之・総合地球環境学研究所
「カンボジア西部森林地域における交易品産地の形成―カルダモンの産地の開拓史の再考」
16:50 – 17:05 終了課題Ⅵ-4 和田理寛・京都大学東南アジア地域研究研究所
「少数民族教育運動の使用テクストから読み解くミャンマー国モンの歴史認識」
17:05 – 17:20 終了課題Ⅵ-5 直井里予・京都大学東南アジア地域研究研究所
「カレン難民の移動をめぐるコミュニティ形成-ドキュメンタリー映画分析を伴う考察」
17:20-17:35 終了課題Ⅵ-6 藤村瞳・上智大学大学院 グローバルスタディーズ研究科
「19世紀半ばの現地発行新聞からみる初期英領ビルマの社会経済状況―史料状況の整理と検討を中心に」
17:35-18:05 質疑応答(30分)
2月16日(金) 3階大会議室 9:00-17:40
9:00 開会 小泉順子(京都大学東南アジア地域研究研究所)
9:00-9:10 所長挨拶 河野泰之(京都大学東南アジア地域研究研究所)
9:10-9:15 拠点の状況報告 小泉順子(京都大学東南アジア地域研究研究所)
セッション1 司会 小林知(京都大学東南アジア地域研究研究所)
9:20 – 9:30 終了課題Ⅰ-1 代表:生方史数・岡山大学大学院環境生命科学研究科
「東南アジアにおける自然の商品化再考」
9:30 – 9:40 終了課題Ⅰ-2 代表:代表:長津一史・東洋大学社会学部
代理発表:伊藤眞・首都大学東京大学院人文科学研究科
「改革期インドネシアにおける国境管理と境域社会のダイナミクス ― 地域間比較の視点から」
9:40 – 9:50 終了課題Ⅱ 代表:浅田晴久・奈良女子大学研究院人文科学系
「東南アジア大陸部稲作圏における農業近代以降の技術展開の国際比較」
9:50 – 10:00 終了課題Ⅲ 代表:伊藤雄馬・富山国際大学現代社会学部
代理発表:櫻田智恵・京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
「第二次世界大戦期以降のタイにおける地方紙資料の保存・利用環境の整備」
10:00 – 10:10 終了課題Ⅳ-1 代表:木場紗綾・同志社大学政策学部
「東南アジアにおけるコミュニティ・ポリシング:治安改善および警察改革へのインパクトの検討」
10:10 – 10:20 終了課題Ⅳ-2 代表:菊池陽子・東京外国語大学総合国際学研究院
「東南アジア大陸部文字資料のメタデータ共有化に係る基礎研究」
10:20 – 10:35 質疑応答(15分)
セッション2 司会 岡本正明(京都大学東南アジア地域研究研究所)
10:35 – 10:45 終了課題Ⅳ-4 代表:鈴木隆史・フリーランス
「長い自己奪還の道のり~インドネシアの戦時性暴力被害者の戦後と地域社会」
10:45 – 10:55 終了課題Ⅳ-5 代表:河野佳春・弓削商船高等専門学校総合教育科
「マルク紛争とその和解に関する人文社会科学的総合研究」
10:55 – 11:05 終了課題Ⅳ-6 代表:三田村啓理・京都大学大学院情報学研究科
代理発表:光永靖・近畿大学農学部
「資源管理による持続的漁業の確立~メコンオオナマズを獲りながら護るには」
11:05 – 11:15 終了課題Ⅳ-7 代表:倉島孝行・京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
「ストップ熱帯林消失:複数知の実践的活用によるブレークスルー」
11:15 – 11:25 終了課題Ⅳ-8 代表:木村友美・大阪大学大学院人間科学研究科
「高齢者の虚弱と社会的背景-日本とタイにおける地域間比較研究-」
11:25 – 11:35 終了課題Ⅳ-9 代表:見市建・早稲田大学大学院アジア太平洋研究科
「東南アジアにおける「応答性の政治」
11:35 – 11:45 終了課題Ⅴ 代表:ワフユ・プラスティヤワン・Islamic State University
Networked: Business and Politics in Decentralizing Indonesia, 1998-2004
11:45 – 12:00 質疑応答(15分)
12:00 – 13:00 昼食 (60分)
セッション3 司会 甲山治(京都大学東南アジア地域研究研究所)
13:00 – 13:10 継続課題Ⅰ-1 代表:髙樋さち子・秋田大学教育文化学部
「インドネシアにおける伝統的金採掘時の水銀使用による環境汚染と健康被害からの持続的回復」
13:10 – 13:20 継続課題Ⅰ-2 代表:藤田渡 ・大阪府立大学大学院人間社会システム科学研究科
「中進国農村の生業生態系の変化と政治変動:タイ東北部を中心に」
13:20 – 13:30 継続課題Ⅱ 代表:加納啓良・京都大学東南アジア地域研究研究所
「現代インドネシアにおける土地紛争とその歴史的意味合い」
13:30 – 13:40 継続課題Ⅲ 代表:田崎郁子・大谷大学真宗総合研究所
「Ronald Renardコレクションの保存整理と、その分析を通した東南アジア大陸部の民族と宗教文献に関する史資料の基礎研究」
13:40 – 13:55 質疑応答(15分)
13:55 – 14:10 コーヒーブレイク(15分)
セッション4 司会 坂本龍太(京都大学東南アジア地域研究研究所)
14:10 – 14:20 継続課題Ⅳ-1 代表:藤本穣彦・静岡大学農学部
「1960-70年代カンボジア王国におけるプレック・トノット多国間電力開発灌漑計画の形成史に関する研究」
14:20 – 14:30 継続課題Ⅳ-2 代表:外山文子・京都大学東南アジア地域研究研究所
「汚職取締の政治学」
14:30 – 14:40 継続課題Ⅳ-3 代表:清水政明・大阪大学大学院言語文化研究科
共同発表 :小島浩之・東京大学大学院経済学研究科
「東南アジア地域文献の資料論的研究 : ハンノム文献を中心として」
14:40 – 14:50 継続課題Ⅳ-4 代表:新谷春乃・東京大学大学院総合文化研究科
「紛争後社会で過去を紡ぐ:1991年の内戦終結後のカンボジアにおける歴史認識に関する研究」
14:50 – 15:00 継続課題Ⅳ-5 代表:坂野晴彦・マサチューセッツ州立大学医学部
代理発表:坂本龍太・京都大学東南アジア地域研究研究所
「東南アジアにおける神経筋疾患治療・ケアの実態把握」
15:00 – 15:15 質疑応答(15分)
15:15 – 15:30 コーヒーブレイク (15分)
セッション5 安藤和雄(京都大学東南アジア地域研究研究所)
15:30 – 15:40 継続課題Ⅳ-6 代表:今井伸夫・東京農業大学地域環境科学部
「東南アジア8か国における熱帯林減少の駆動因:長期・地域スケールでの解析」
15:40 – 15:50 継続課題Ⅳ-7 代表:櫻田智恵・京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
「グローバル化時代のアジアにおける君主制」
15:50 – 16:00 継続課題Ⅳ-8 代表:今村真央・山形大学人文学部
「雲南・カチン・アッサム回廊―中国、ミャンマー、インドは内陸で繋がるか」
16:00 – 16:10 終了課題Ⅳ-3 代表:西村雄志・関西大学経済学部
「植民地体制下の東南アジアにおける地域経済の変容に関する比較的考察」
16:10 – 16:25 質疑応答・討論(15分)
16:25 – 16:40 コーヒーブレイク(15分)
16:40 – 17:40 総合ディスカッション(60分)
藤田幸一(司会) 京都大学東南アジア地域研究研究所
生方史数 岡山大学大学院環境生命科学研究科
菊池陽子 東京外国語大学総合国際学研究院
木村友美 大阪大学大学院人間科学研究科
鈴木隆史 フリーランス研究者
速水洋子 京都大学東南アジア地域研究研究所
18:00 – 懇親会 京都大学東南アジア地域研究研究所 稲盛記念館3F中会議室 会費:3000円
報告
共同利用・共同研究「東南アジア研究の国際共同研究」では、平成29年度の年次研究成果報告会を、2018年2月15日及び16日の2日間にわたり、稲盛財団記念館で実施した。15日は若手研究者の支援をねらいとした個別課題で今年度終了するもの6件、16日はその他のタイプの共同研究計26件(うち終了課題14件、継続課題12件)について、その代表者が進捗と成果を報告した。人文社会系から自然科学系まで、史資料の共有化をめぐる基礎研究から社会貢献を射程に入れた実践的な研究まで、本拠点の特徴である学際的な雰囲気のもと実に幅広い研究活動の概要が紹介された。発表スケジュールの都合上、各報告の持ち時間は10分という短いものであったが、充実した内容の報告が相次いだ。
16日の最後には、総合ディスカッションが行われた。ここでは、東南アジア地域研究研究所の藤田幸一教授の司会のもと、生方史数(岡山大学大学院環境生命科学研究科)菊池陽子(東京外国語大学総合国際学研究院)、木村友美(大阪大学大学院人間科学研究科)、鈴木隆史(フリーランス研究者)、速水洋子(京都大学東南アジア地域研究研究所)の各氏に登壇いただき、本拠点の今後の方向性と可能性などについて活発な議論が交わされた。研究拠点施設としてのバンコク及びジャカルタの連絡事務所の利用可能性について、より外部に情報を公開するべきだといった意見の他、研究課題1件あたりの予算を増額すべきという率直な意見もあった。その一方で、予算の枠が限られている中で、参加希望者に広く予算を割り当て、東南アジア研究のネットワークを広げようとするという現行の仕組みの持つ意義を肯定する意見も複数の登壇者が強調した。また、応募をさらに広げるために、応募時に必要な所属長印を廃止すべきという意見の一方で、採択後に所属機関との間で問題が起こる可能性を危惧する声もあがり、今後慎重に検討すべき議題となった。年次研究成果報告会に対しては、東南アジア研究に関わる様々な分野の研究者が刺激し合い、新しいアイディアを得る貴重な機会になっていると評価した上で、直接の関係者だけではなく広く外部に参加者を開く努力を求める意見もみられた。
報告会の後に行われた懇親会でも、年次研究成果報告会が多様な分野の研究者がお互いに交響し合う貴重な機会になっていることが再確認された。
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