IV-8.「パフォーマンス・エスノグラフィーを応用した地域研究方法論の共同研究」(平成30-令和1年度 FY2018-2019 継続)


  • 研究代表者:飯塚宜子(京都大学・東南アジア地域研究研究所)
  • 共同研究者:大石高典(東京外国語大学・現代アフリカ地域研究センター)
  • 園田浩司(大阪大学・大学院文学研究科)
  • 山口未花子(北海道大学・文学部)
  • 関 雄二(国立民族学博物館・研究部)
  • 長岡慎介(京都大学・大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
  • 坂本龍太(京都大学・東南アジア地域研究研究所)
  • 田中文菜(京都大学・大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
  • 小林 舞(総合地球環境学研究所・研究部)
  • 島村一平(滋賀県立大学・人間文化学部)

研究概要

本研究ではパフォーマンス・エスノグラフィーによる地域研究の可能性を探求する。フィールドワークにおける体験を、テキストではなく、身体的、直観的、具体的に表現する方法論として、パフォーマンス・エスノグラフィーを実施する場をつくる。そして市民や児童が地域の解釈を提案、交渉、構成する相互行為のプロセスを通して、地域を能動的・主体的に捉えなおす方法論について実証的に検討していく。

詳細

今日、都市への人口移動や開発等により地域の社会や文化が加速度的に変容するなか、地域をどう捉えなおすかは重要な社会課題である。本研究では、地域をテキストで表象するのではなく、モノ、行為、演劇手法などを活用するパフォーマンス・エスノグラフィーを用いることでより直接的に生活世界として疑似的に表象することを試みる。それにより、特にこれまで地域研究と関わりを持たなかった一般市民や児童が、研究者により意味づけされたローカルな知を外在化された知識として受け取るのではなく、彼ら自身が主体的に意味づけを行う機会を創出する。

本研究の目的は、パフォーマンス・エスノグラフィーによる地域研究の可能性を探索していくことにある。具体的には、カナダ先住民やアフリカ中部の狩猟採集民など他地域の生活世界を疑似的に再構築するワークショップに参与した人々が、どう地域を主体的に解釈し意味づけていくかを実証的に検証する。その過程において、構成された会話や行為について分析を行い、またそこで地域研究者はどのような相互行為を通して人や地域に関わることが可能かを検討する。

上記のプロセスにより、地域理解についての新たな教育の方法論を提示していくとともに、詳述困難な領域をどう共有していくかという地域研究方法論について、新たな視座を示すことが期待される。

 


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