IV-11. 「ジャカルタ大都市圏の広域人口動態分析に向けたマクロ・ミクロの融合的研究」(令和2年度 FY2020 新規)


  • 研究代表者:新井健一郎(亜細亜大学・都市創造学部)
  • 共同研究者:林 憲吾(東京大学・生産技術研究所)
  • 三村 豊(総合地球環境学研究所・研究基盤国際センター)
  • 小泉佑介(大阪市立大学・大学院文学研究科)
  • 阿由葉大生(東京大学・大学院総合文化研究科)
  • 吉田航太(東京大学・大学院総合文化研究科)
  • 山口元樹(京都大学・大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
  • 甲山 治(京都大学・東南アジア地域研究研究所)

研究概要

本研究はインドネシアの首都ジャカルタ大都市圏を対象に、大規模かつ多様な人口動態がその社会空間変動をいかに規定しているかについて、ミクロ・マクロの融合的な視点から明らかにする。 具体的には、ジャカルタ大都市圏の産業立地および人口配置の急速な郊外化(スプロール化)に注目し、フィールドで得られるミクロな知見と人口センサス等を用いたマクロ統計分析との類似点/相違点を相互にフィードバックすることで独自の研究枠組みの構築を目指す。

詳細

本研究では、社会経済統計分析や画像分析を担当するマクロ班と、フィールドでの豊富な知見・経験を有し、人類学・社会学理論に精通したミクロ班との共同研究により、ジャカルタ大都市圏の広域人口動態を明らかにすることを目的とする。本研究の独自性は、ミクロな観点からジャカルタ大都市圏の人口動態分析に必要な変数の検討をおこない、マクロな社会空間分析の結果との整合性を議論するといった、ミクロとマクロの相互作用を意識した研究方法にある。こうしたマクロ・ミクロの相互的なフィードバックを重視する研究アプローチは、従来の東南アジア都市研究において重視されつつも、必ずしも現在までに確固たる方法論として確立していないことから、本研究はその試金石として重要な位置づけにあると考える。

加えて、本研究はインドネシア中央統計庁と共同でのワークショップの開催を想定しており、外国人(日本人)研究者内部にとどまらない広がりをもった議論の可能性を有している。そのため、本研究は学術的な意義だけでなく、大都市圏における人口動態分析の結果を現場の都市政策担当者と共有し、住宅供給バランスや都市環境の劣化に対する解決策を共に探ることで、本研究の成果が都市政策の現場に対して直接的に還元されることが期待される。

 


対面とオンラインを組み合わせた研究会合の様子(東京 2020.9.25)

研究会合における発表者スライドの例(三村豊・林憲吾)