IV-2. 「ジャカルタ大都市圏の広域人口動態分析に向けたマクロ・ミクロの融合的研究」(令和2-3年度 FY2020-2021 継続)


  • 研究代表者:新井健一郎(亜細亜大学・都市創造学部)
  • 共同研究者:林 憲吾(東京大学・生産技術研究所)
  • 三村 豊(総合地球環境学研究所・研究基盤国際センター)
  • 小泉佑介(静岡県立大学・大学院国際関係学研究科)
  • 阿由葉大生(東京大学・大学院総合文化研究科)
  • 吉田航太(東京大学・大学院総合文化研究科)
  • 山口元樹(京都大学・大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
  • 甲山 治(京都大学・東南アジア地域研究研究所)

研究概要

本研究は、インドネシアの首都ジャカルタとその周辺地域で構成される大都市圏を対象に、大規模かつ多様な人口動態が、大都市圏内部の社会空間変動をいかに規定しているかについて、ミクロな視点とマクロな視点を融合させた独自の分析枠組みによって明らかにする。具体的には、ジャカルタ大都市圏の産業立地および人口配置の急速な郊外化(スプロール化)という現象に注目し、フィールドで得られるミクロな知見と、人口センサス等を用いたマクロ統計分析との類似点/相違点を相互にフィードバックすることで、ジャカルタ大都市圏特有の人口移動パターンの理解に向けた独自の研究アプローチの構築を目指す。

詳細

本研究では、ジャカルタ大都市圏における広域人口動態を明らかにすると同時に、ミクロとマクロの視点を結びつけた独自の研究枠組み・アプローチの構築を試みる。東南アジア地域研究は、これまで様々な観点から独自の方法論を模索してきたが、近年の注目すべき動向としてアプローチとして、地域研究に情報学の技術・知見を組み入れた「地域情報学」が目覚ましい発展を遂げている。また、ジャカルタ大都市圏に関する研究においても、インフォーマルセクターをはじめとする都市住民のミクロな生活様式等に関する研究や、大量データに基づくマクロな都市研究の成果が蓄積される中で、双方の視点を統合させる学際的研究が注目を集めている。本研究の構想は、こうした地域研究方法論の新たな展開に強く依拠しつつ、ヒト・モノ・資本の流動性が非常に高いジャカルタ大都市圏を事例に、マクロ/ミクロの視点を融合させた独自の枠組み・アプローチの構築を目指す。

令和2 年度には、月1 回の研究会を重ね、科研基盤C の長期的な研究プロジェクトにつなげることができた。令和3 年度の重点目標は、①村落潜勢力調査(Podes)の過去データの入力と分析と、地理情報システム上での発見の可視化である。また、成果の発表として、学術誌(京都大学『東南アジア研究』等)への複数の論文投稿を目指している。

 


インドネシアの社会・人口統計データの整理・分析とジャカルタの都市空間の分析、ミクロなフィールド調査の知見の結合を試みている。

コロナ流行下でも毎月オンライン研究会を実施。ゲストによる発表もあり、活発に議論を行う。