京都大学で日本=東南アジアの防災協力に関する国際会議が開催されるのにあわせて、日本の高校生と東南アジアの研究者が国を越えて共通の課題について考える高大連携国際会議を開催します。
今日のアジアでは、テロ・感染症・自然災害などの災いや,都市化や地域間・民族間格差、高齢化や移民・難民問題といった課題が国を越えて地域共通の課題として存在し、それへの対応でも国境を越えた協力・連携が求められています。
京都大学東南アジア地域研究研究所では、東南アジアと日本の共通の課題として防災を取り上げ、平成27年度よりJSPS研究拠点形成事業「アジアの防災コミュニティ形成のための研究者・実務者・情報の統合型ネットワーク拠点」に取り組み、各国の文化・歴史・社会の事情を踏まえて防災の国際協力を担う人材の育成をめざして研究交流を進めてきました。
最終年度にあたる平成29年度は対象を高校生に広げ、東南アジアの研究者と日本の高校生が国を越えて共通の課題について考える高大連携国際会議を開催します。平成26年度よりグローバル・リーダー育成を目的に文部科学省によって始められたスーパーグローバルハイスクール(SGH)指定制度により、多くの高校がアジアとの国際交流実績をあげています。こうしたSGH指定校のうち、関西から西日本でアジアとの交流実績を持つ高等学校に参加を呼びかけ、このたび大阪府立北野高等学校SGH、大阪府立三国丘高等学校SGH、神戸市立葺合高等学校SGH、福岡県立鞍手高等学校SGHの4つのSGH指定校との連携による国際会議が開催されるはこびとなりました。九州から大阪までの高校生70人が京都大学に集まり、東南アジアの研究者とともに英語による研究発表を行い、交流会に参加します。
日時: 2017年8月5日(土) 10時~13時
場所: 京都大学稲盛財団記念館3階大会議室 (〒606-8501 京都市左京区吉田下阿達町46)
参加費・資料代: 無料
プログラム:
10:00 開会挨拶
山本博之 (京都大学東南アジア地域研究研究所・准教授)
10:05 福岡県立鞍手高等学校SGHチーム
“Countermeasures against flood damage in Japan & Malaysia”
「水害に見る日本とマレーシアの洪水対策」
10:35 神戸市立葺合高等学校SGHチーム
“Natural Disaster Preparedness: From Japan to the World”
「防災:日本から世界へ」
11:05 大阪府立三国丘高校SGHチーム
“The Philippines:Health, infrastructure and Society of disparity”
「フィリピンから考える健康、インフラ、社会格差」
11:35 大阪府立北野高校SGHチーム
“Ethnic groups and business in Malaysia”
「マレーシアにおける経済活動と民族間関係」
12:00 閉会挨拶
12:05~13:00 交流会
●主な会議参加者(研究者)
フィロメノ・アギラー(フィリピン、アテネオデマニラ大学社会学部長・社会学)
エンリケ・オラシオン(フィリピン、シリマン大学研究開発センターセンター長・文化人類学)
ハイルル・ムナディ(インドネシア、シアクアラ大学津波防災研究センター所長・防災教育)
ナズリ・イスマイル(インドネシア、シアクアラ大学大学院防災研究科研究科長・地質学)
シェ・ムハンマド・サイフディン(マレーシア、イスラム理解研究所上級研究員・環境学)
ムハンマド・ファリド(マレーシア、イスラム理解研究所上級研究員・政治学)
山本博之(日本、京都大学東南アジア地域研究研究所准教授)
西芳実(日本、京都大学東南アジア地域研究研究所准教授)
●参加高校
福岡県立鞍手高等学校SGH
・課題…筑豊から世界へ!グローバルシティズンシップを持った「たくましき前進者」の育成
・詳細情報: http://kurate.fku.ed.jp/html/introduction/sgh.html
神戸市立葺合高等学校SGH
・課題…神戸から綾なせ世界、共生への道を開くグローバル・リーダー育成
・詳細情報: http://www2.kobe-c.ed.jp/fki-hs/?page_id=558
大阪府立三国丘高等学校SGH
・課題…地球規模での持続可能な社会の構築に貢献する、「創造的課題解決能力」を持つ人材の育成
・詳細情報: http://www.osaka-c.ed.jp/mikunigaoka/ZENNITI/sgh/sgh_top.html
大阪府立北野高等学校SGH
・課題…アジアと学び合う――夢を実現する国づくり
・詳細情報: http://www.osaka-c.ed.jp/kitano/SGH/SGH-index.html