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『海を駆ける』の深田晃司監督が当研究所を来訪

 6月5日、当研究所の山本博之准教授が担当するILASセミナー「地域研究への招待─映画で読み解くアジア」に、最新作『海を駆ける』(ディーン・フジオカ主演)が劇場公開中の深田晃司監督がゲストとしてお越しくださいました。監督には作品の背景やアジアで映画をつくる意義などをご講義いただき、受講した学生からは地域研究と映画との親和性の高さを実感した、これからの学習の進め方の参考にしたいなどといった感想が聞かれました。

 深田監督と当研究所の「災害対応の地域研究」プロジェクトチームとは、2011年にインドネシアのバンダ・アチェで開催された津波と防災に関するワークショップをきっかけに、映画製作と学術研究という異なる立場を超えて影響を与えあう関係が続いています。

 深田監督の小説『海を駆ける』(文藝春秋、2018年)では、映画では語られなかった謎を読み解くヒントがちりばめられています。

 西准教授の『災害復興で内戦を乗り越える』(京都大学学術出版会、2014年)では、作品の舞台となったインドネシア・アチェ州の津波被災から復興までの歩みが、アチェの人びとが被災以前の歴史を抱え乗り越えていく過程として詳述されています。映画とあわせてぜひ手にとっていただければと思います。

 また、より手軽にアチェについて知りたい方には、カラー図版豊富な『被災地に寄り添う社会調査』(京都大学学術出版会、2016年)もおすすめです。