藤澤 奈都穂 | 京都大学 東南アジア地域研究研究所

藤澤 奈都穂

nacuhof cseas.kyoto-u.ac.jp

部門・職位

グローバル生存基盤研究部門 学振特別研究員

専門

ラテンアメリカ地域研究、農業生態

研究分野 / キーワード

アグロフォレストリー、コーヒー、焼畑、熱帯農業、農村、生業





研究概要

現在、日本学術振興会特別研究員として東南アジア地域研究研究所に所属すると同時に、2021年4月からは、オランダのWageningen University and Research (WUR)、Forest and Nature Conservation Policy Group (FNP)にポスドク研究員として所属している。
2017年に博士号(農学)取得。中米地域を対象とした、農業生態研究をしてきた。

研究の主な目的は、森林地域の住民による持続的な農業景観、食料システムの創出に貢献することである。特に中米のコーヒー・アグロフォレストリーを対象とし、小規模農家が生業の変遷の中で生物多様性の高いアグロフォレストリー・ランドスケープを創出するプロセスを明らかにすることを課題としている。

例えば、調査対象地のコーヒー・アグロフォレストリーが、焼畑を始めとする在来農業との深い関わりを持っていることに着目し、地域の社会文化的な特徴とアグロフォレストリーの形態との関連を検討している。

さらに、農村が持続的な社会の契機として発展する上で、特に現代的な文脈においてアグロフォレストリーがもつポテンシャルに注目している。近年は農村と都市との物理的、精神的なつながりが強くなり、農業を生業として選ばない人が増えている。一方で、小規模農家は森林や農地の生物多様性を保全するアクターとして期待されている。コーヒーというコモディティクロップの生産だけではない、在来的・新規的な価値を共有・創出するツールとして、アグロフォレストリーが今後担いうる役割について研究を深めたい。

また、日本の山間部の小規模農家の生業と森林との関わりに関心を持ち、その課題や可能性を農業、林業の視点から検討したいと考えている。