藤田素子 | 京都大学 東南アジア地域研究研究所

藤田 素子

fujita cseas.kyoto-u.ac.jp

部門・職位

グローバル生存基盤研究部門 連携研究員

専門

研究分野 / キーワード

・大規模アカシアプランテーションおよび択伐林における鳥類多様性に関する研究
・東南アジア産アナツバメ類の持続可能性に関する景観生態学的研究
・熱帯山地林における鳥類によるリンの運搬に関する研究





研究概要

大規模アカシアプランテーションおよび択伐林における鳥類多様性に関する研究

産業造林地や天然林施業地など,人為的な環境において鳥類の多様性をモニタリングするための基礎的な手法開発を目指している.調査地はインドネシアおよびマレーシアで,南スマトラ州・リアウ州・中央カリマンタン州(以上インドネシア)およびサバ州(マレーシア)の4つのサイトがある.方法としては,ICレコーダーをフィールドに長期設置し,録音された鳥類の音声を解析することで出現した種の多様性を評価する.これにより,簡便なモニタリング方法を開発する.

東南アジア産アナツバメ類の持続可能性に関する景観生態学的研究

東南アジアの重要な産業であるツバメの巣を持続的に利用していくためには,鳥の生態を知る必要がある.そのなかでもツバメの食性の違いや,餌場までの距離,周辺の土地利用との関係などは,巣の生産速度に密接に結びつく重要な要因である.本研究ではマレーシア・サラワク州,インドネシア・リアウ州を中心として,土地利用とツバメの生態に関する研究を行っている.

熱帯山地林における鳥類によるリンの運搬に関する研究

リンは一次生産を支配する要因の一つで,その供給量によって生産量や生物群集が変化することが知られている.リンが欠乏状態にある土壌をもつマレーシア・キナバル山の熱帯山地林では,尾根から谷を通り河川へと失われていくリンを効率的に利用するために,植物は様々な戦略を用いることが知られる.いっぽう近年になって,重力に逆らい動物によってリンが運搬される事例が様々な環境で報告されている.本研究では貧栄養土壌をもつキナバル山の動物相のなかで大きなバイオマスをもつ鳥類が,景観内のリンの再循環にどの程度寄与しているかを明らかにする.

外部資金獲得(日本学術振興会・科学研究補助金)

種別 テーマ 期間 代表/分担
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B)) 鳥類の鳴き声を題材としたロボット聴覚技術のマルチスケール行動生態観測への応用 2019 – 2022 分担
基盤研究(C) マイクロ波合成開口レーダによる森林構造解析と熱帯の鳥類多様性との連関の検証 2018 – 2022 分担
若手研究(B) 音声による種の識別システムを用いた鳥類モニタリング手法の開発 2016 – 2018 代表