病院薬剤師や国際保健の現場などを経て、公的制度からもれてしまう人や、いわゆる「医療」では治療が困難な人にとっても、それぞれがのぞむ生老病死のありかたに近接できる社会の実現に貢献できないかと考えて研究活動を開始。医療人類学をベースにした学際的な研究で、質的・量的なデータを扱う。

地域社会にとっての公的・非制度的医療、社会福祉、宗教実践
南インドを事例に、非公的な医療、福祉、宗教実践(特に奉仕)の個人や社会にとっての役割について調査するとともに、公的資格を持つ伝統医療医師(アーユルヴェーダ)と医療制度外にある伝統的治療師の相互関係性について考察。

治療者の身体知とその習得プロセス
南インドにおいて、大学教育を経た伝統医療の医師と、丁稚奉公式の修行を経た伝統的治療師のそれぞれの知識や技術の習得過程や提供する医療の質的な差異・共通項を分析することを通じて、実践としての医療に求められる身体知（非形式知）や治療者にかかる教育について考察。