水野 広祐 | 京都大学 東南アジア地域研究研究所

水野 広祐

mizuno cseas.kyoto-u.ac.jp

部門・職位

政治経済共生研究部門 連携教授

専門

インドネシア地域研究、農業経済学、労働経済学、環境経済学

研究分野 / キーワード

・インドネシアの労使関係と労使紛争処理
・インドネシアの資源依存経済と在来的発展
・インドネシアの土地制度と泥炭地回復


最近の活動:

2020.12.18 自著を語る:『民主化と労使関係――インドネシアのムシャワラー労使紛争処理と行動主義の源流』が掲載されました。
2020.10.02 【新刊】水野広祐著『民主化と労使関係:インドネシアのムシャワラー労使紛争処理と行動主義の源流』(地域研究叢書) が刊行されました。

2020.06.30 コロナ・クロニクル 「インドネシア経済は新型コロナウィルス感染症勝ち組に!?」を公開しました。




研究概要

インドネシアの労使関係と労使紛争処理

インドネシアの労使関係を、労使紛争処理制度の展開、特にスハルト大統領退陣後の民主化期の労働法改革前後に変化に焦点を合わせて研究する。法の支配にもとづく制度か、協議を重視するムシャワラー・ムファカット(合議・全員一致の原則)かと問題設定し、従来の世界のインドネシア労働問題研究に革新をもたらす。さらに、インドネシア労働者に一貫して存在する行動主義を検討することで、労使関係研究にも新たな視座を導入した。さらに、研究対象のレンジを植民地期の1870年台まで広げ今日の制度や運用に至る経過・理由・起源を明らかにした。

インドネシアの資源依存経済と在来的発展

今日のインドネシアにおけるアブラヤシ生産と輸出にみるようにインドネシア経済は歴史的に一次産品の生産と輸出に多く依存した。一方、多くの人口を抱え、それらの人々の生活ための生産や消費も社会経済の柱であった。これらの展開で、一次産品の生産・輸出と、農業や中小企業・インフォーマルセクターの役割の多い民衆経済が並存して存在して発展を遂げ、徐々に住民福祉の向上や工業化が進展するするという発展経路を取った。これは、従来の輸出志向工業化やインボリューションモデルと異なるインドネシア的経済発展の経路である。

インドネシアの土地制度と泥炭地回復

インドネシアにおける泥炭地荒廃化の根本原因の一つはその土地問題、特に国家管理地や政府の指定する森林地域の問題にあることを明らかにし、今日のインドネシアにおける土地改革の流れの中、社会林業を推進する一方、広大な国家管理地や政府指定の森林地域を生んだインドネシア土地政策の歴史的展開を明らかにする。

外部資金獲得(日本学術振興会・科学研究補助金)

種別 テーマ 期間 代表/分担
基盤研究(B) インドネシアにおける土地所有権と泥炭地回復 2019 – 2022 代表
基盤研究(B) 東南アジアの次世代型成長メカニズムの萌芽とその政治経済学的課題 2018 分担