清水 展
shimizuh cseas.kyoto-u.ac.jp
部門・職位
環境共生研究部門 名誉教授・連携教授
専門
文化人類学・フィリピン研究
研究分野 / キーワード
先住民のグローバリぜ−ション
研究概要
先住民のグローバリぜ−ション |
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1980年代末に東西冷戦が終結し、90年代からはグローバル化が急速に進行した。その草の根レベルへの影響と、それへの住民の対処を理解するために、1998年から北ルソン山地の山奥の先住民イフガオのハパオ村でほぼ毎年のフィールドワークを開始した。 ハパオ村は、先の大戦末期に山下将軍麾下の日本軍主力部隊が3か月立てこもった。1970年代後半から10年ほどは、共産党=新人民軍が実効支配を続けた。そんな山奥の村から、過去20年ほどで人口の約1割、180人余りが30カ国へと海外出稼ぎに出るほどにグローバル化してきた。調査でその背景を明らかにした。 出稼ぎの収入・仕送りは、子供の教育費や家屋の新築などのほか、伝統儀礼の復活と盛大な挙行をもたらした。村人は社会経済的にグローバルなネットワークを動くと同時に、ローカルな伝統文化を再興し、「グローカル」な新しい人間となってきた。その経緯を詳細に分析し、草の根のグローバル化のダイナミズムを解明した。 |
外部資金獲得(日本学術振興会・科学研究補助金)
種別 | テーマ | 期間 | 代表/分担 |
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基盤研究(A) | 気候変動と水資源をめぐる国際政治のネクサス-安全保障とSDGsの視角から | 2019 – 2021 | 分担 |
新学術領域研究(研究領域提案型) | 民族誌調査に基づくニッチ構築メカニズムの解明 | 2019 – 2023 | 分担 |
基盤研究(A) | 民主主義体制における少数派排除のグローバル化―アジア・アフリカの比較研究 | 2018 – 2021 | 分担 |
挑戦的研究(萌芽) | 自文化の民族誌への挑戦:生まれ育った横須賀から日本文化・社会を再考する | 2017 – 2019 | 代表 |
基盤研究(A) | 応答の人類学:フィールド、ホーム、エデュケーションにおける学理と技法の探求 | 2016 – 2020 | 代表 |
受賞
賞の名称 | 授与組織名 | 受賞年月 |
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第11回日本文化人類学会賞 (2016) | 日本文化人類学会 | 2016 |
第107回日本学士院賞 (2017) | 日本学士院 | 2017 |