白川 康一 | 京都大学 東南アジア地域研究研究所

白川 康一

kshirakw cseas.kyoto-u.ac.jp

部門・職位

環境共生研究部門 連携助教

専門

原虫感染症、理論疫学、医学統計学、システム生物学、構造生物学

研究分野 / キーワード

・マラリアの地域特異性研究における新しい理論疫学・医学統計学的手法の導入
・薬剤耐性型原虫発生に対する構造生物学的研究
・感染症の収束に作用する因子解析





研究概要

マラリアの地域特異性研究における新しい理論疫学・医学統計学的手法の導入

マレーシア サラワク州におけるマラリア患者の発生は、隣接するインドネシアのマラリアの感染動向に比べると少ないが、年間3000件程度の感染症例が報告され、マラリア関連の疾患を含めて15人程度が死亡している。本研究では、マラリア患者の動態変化と気候や種族などを含む様々な地域特異的的要因との関連性を解析する。解析の結果から、医療経済学的および医療政策学的視点から有効であると判断できる要因を発見し、マラリアの効率的な予防法を探索する。 申請者は、これまで標記課題に関連した疫学研究において、既に集積性や都市構造の変化に着目した研究を進めてきた。本研究において地域特異性に関係する交絡因子を考慮し、従来の疫学研究に計量経済学的解析法を導入することで、流行性感染症の研究分野ではまだ実施されていない時空レベルの解析を導入することになる。研究方法は、サラワク州の共同研究者が収集した州内の9地域のマラリア患者および関連要因に関する疫学データを、理論疫学、計量経済学的手法、およびRなどの数理統計解析ソフトを用いて行う。

薬剤耐性型原虫発生に対する構造生物学的研究

東南アジア国境地域では、偽薬の密売と使用が多発し、これが原因で患者の死亡や耐性型の原虫が発生している。本研究では、1)の研究に加えて偽薬が経済的貧窮な住民に流入することで薬剤耐性型原虫の発生や拡散に関与していることを分子疫学的手法によって検討すると共に生体内における偽薬成分が耐性型原虫の発生に寄与する点を明らかにする。

感染症の収束に作用する因子解析

過去に消滅した感染症について、マルコフチェーン・モンテカルロ法(MCMC法)を用いて消滅に関わる因子を探索し、現存する感染症の時系列解析を行う


外部資金獲得

  • 「主要交通施設における感染症患者の発生と伝播について」,東京大学空間情報科学センター共同研究
  • 「薬剤耐性型マラリアの発生の因子解析とコントロール」, 京都大学微生物科学寄付研究部門主催第二回シンポジウム「微生物科学研究の多様性と新展開」