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Noriko Ishimatsu 石松 紀子
プロジェクトのテーマ
東南アジアにおける近代から現代美術への展開
—グローバリズムとローカリズムのあいだで
プロジェクト概要
植民地化されたマレーシアと植民地化されなかったタイに焦点をあて、近代美術がどのような過程を経て現代美術へと展開していったかを調査する。特に、70年代から90年代にかけて開催された国内外の展覧会を分析しながら、当時の美術がどのように受容され、また位置づけられてきたかを検証することで、現在の美術状況の理解へとつなげたい。
研修国
タイ、マレーシア
自己紹介
修士論文で、アジア現代美術における有徴性(Marked)と無徴性(Unmarked)の重要性について考察して以来、アジアの現代美術に関心をもってきました。アジアの美術を「アジア」という枠組みを越えて語ろうとするとき、どのような問題点が考えられるかを問うために、博士課程においては、80年代イギリスの非欧米系アートを対象とした研究を行っています。この時代のイギリスでは、アジア、アフリカ、カリブ諸国に出自をもつアーティストたちが、自らの周縁性に異議を申し立てるため、積極的に活動を展開させました。このような活動を分析することで、多文化主義が活況を極める現代美術の状況を理解する試みをしています。今回のタイとマレーシアにおける調査は、博士論文における議論をさらにアジアへと展開させるための調査となります。
また、大学院に在籍するかたわら、福岡アジア美術館で国際交流を担当し、アジアの近現代美術の展覧会に携わりながら、アジアからのアーティストや研究者たちと共に仕事をしてきました。美術館での経験とネットワークを生かしながら、今回のフェローシップを機に研究領域を広げていきたいと考えています。