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Yuka Kiguchi 木口 由香
Yuka Kiguchi
木口 由香
事務局長
プロジェクトのテーマ
タイトル:人々の生活と河川開発―タイにおける水辺の記録
プロジェクト概要
水は人の命を維持するために、最も重要な資源である。その開発は世界中で重視されるが、誰が水を管理するか、利用するかという点は大規模な開発や小規模なものでも、常に論争や紛争の元となる。しかし、その議論がなされる時、水を利用してきた地域住民の声が計画に十分に反映されないことが多い。水の近くで暮らすことは、洪水などのリスクを背負う一方、漁業など生活の糧をえるのに有利なことでもあった。そのため、水辺の暮らしを選択してきた人たちが川沿いに暮らしている。だが、現在の開発は、そのような暮らしと水辺を切り離す傾向にある。
現代のタイの中で、水と人との関わりはどのようなものなのか、またそれが将来どうあるべきなのかを考えるきっかけを提示するため、同国の代表的な河川であるチャオプラヤ河水系とメコン河の水系で、水辺に暮らす人々の記憶と現在の生活を記録し、映像作品としてまとめ同国で発表することが今回の活動内容である。この活動を通して、人々と河川との関係を同国の社会の中で共有すること、またその記録を後世に伝える方法を探っていきたい。
研修国
タイ
自己紹介
学生時代、偶然のきっかけでタイ語を学び、その後も様々な仕事を通してタイに関わってきましたが、1998年に東北タイでダム開発に異議をとなえる地域住民の方たちと知り合ったことで、ダム開発による環境や人々の暮らしへの悪影響について強い関心を持ちました。
その後、NGOに所属し、メコン河流域でのダム開発による影響調査や政策提言活動を続ける中で、川や魚について人々が培ってきた知識や経験を知る機会に恵まれ、調査の仕事と並行し映像での記録を続けてきました。また、仕事を通してラオスの映像制作者の方たちとラオス国内向けの環境ドキュメンタリー作りに関わ
り、大学院進学後は、友人のサポートで編集を学び、撮りためた記録をまとめ、民族誌映画祭やNGOの主催する環境関連の映画祭で発表を始め現在に至っています。
今後も仕事をつづけながら、川と人の関わりの変化について人々の記憶を映像で記録し、それをタイや他のメコン河の流域の国々の人々と共有する中で、河川利用の将来について議論の場を増やすお手伝いをしてきたいと考えています。