The Nippon Foundation Fellowships for Asian Public Intellectuals


Shunsuke Sasaki 佐々木 俊介

Shunsuke Sasaki
佐々木 俊介

東京大学大学院
農学生命科学研究科
博士課程

プロジェクトのテーマ

廃棄物最終処分場近隣スラム街における住民生活の写真撮影

プロジェクト概要

廃棄物最終処分場の周囲に形成されたスラム街に居住する人々の日常生活を写真撮影する。写真には、何気ない風景を写し取る力も、一瞬を切り取り強いメッセージを伝える力もある。本プロジェクトにおいてはこれら写真の力を生かしてスラム街の人々の日常を撮影していく。そして最終的には、それらの写真に詳しい解説を付け、写真を主体としたノンフィクションの著書を執筆することを予定している。

研修国

インドネシア

自己紹介

 廃棄物最終処分場の周りに形成されたスラム街でフィールド調査をしています。私が調査しているスラム街には、ウェイストピッカー(スカベンジャー)と呼ばれる廃棄物の中から売却可能な物を収集及び売却して生活している人たちが住んでいます。私は博士課程に在籍しながら、その人たちの生活や文化、そしてリサイクルとの関わりを研究しています。  
 研究の傍ら、どちらが本業かわからないぐらい写真に熱中してきました。フィールドでの滞在中はいつも、写真の情報媒体としての力やメッセージ力のすばらしさを感じています。まだまだ未熟な撮影技術ですが、私の写真を見てくれる方々にスラム街の苦しさや楽しさを伝えていけるように日々頑張っています。現場の本質を突ける写真、そして写真集にした時に立体感を出すための写真、このような写真を撮影することがAPIでの私の目標です。  
 私の家はスラム街の中にあります。APIで調査地に長期滞在する際は、この家が私にとって唯一の住居になります。このスラム街では長屋形式の小屋が多いのですが、我が家は一戸建てです。調査地の中にあるので、職住接近です。それに安い軽食店が多く、料理する煩わしさとも無縁です。セキュリティーも万全です。地域社会が色濃く残っている所で、まさに「人は石垣、人は城」で、地域社会のみんなが泥棒から私の身を守ってくれています。スラムのバラック小屋とはいえ、この家は私にとって、我が城、我が癒しの空間です。