The Nippon Foundation Fellowships for Asian Public Intellectuals


Tetsuya Araki 荒木 徹也

荒木 徹也

Tetsuya Araki
荒木 徹也

東京大学大学院
農学生命科学研究科
准教授


http://www.iai.ga.a.u-tokyo.ac.jp/araki/index.html

プロジェクトのテーマ

インドネシアのNGOネットワーク

プロジェクト概要

インドネシアにおけるNGOネットワークの可能性と限界を検討した。NGOネット ワーキングに関する意識調査の結果から、相互行為的ネットワークの一つとしての性 格を有するNGOネットワークにおいて、戦略的ネットワーキングが相互行為的ネット ワーキングよりも優位に考えられていることが分かった。他方、PRA (Participatory Rural Appraisal)などの参加型開発手法の実践はジョグジャカル タおよびヌサトゥンガラ州で広がりを見せており、またその研修機関は主にジャカル タと西ジャワ州に位置していた。参加型開発手法の実践者のネットワーク構造は結節 点であると考えられる数名に集中していた。以上の結果から、NGO間のネットワーキ ング・プロセスは3つの相互矛盾要因、すなわち1)資源(時間・資金・人材)、2)多 様な価値観の共存、3)合意形成プロセスの必要性により本質的な制約を受けるもので あることが明らかとなった。(参考文献:荒木徹也(2005)「インドネシアにおける NGOネットワークの可能性と限界」『ノンプロフィット・レビュー』Vol.5, No.2, 93-102.)

研修国

インドネシア

自己紹介

経歴

1996 年 東京大学農学部農業工学科卒業
1997 年~1998年 インドネシア・ボゴール農科大学に留学
2002 年 東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了、博士(農学)
2002 年~2003年 日本財団アジア・フェローシップ(Year 2)
2003 年~2005年 日本学術振興会特別研究員(PD)
2005 年~2008年 東京大学大学院農学生命科学研究科助手
2008 年~2010年 東京大学大学院農学生命科学研究科講師
2010年~ 東京大学大学院農学生命科学研究科准教授

専門分野

NGOとは全く関係ないのですが、食品工学が私の専門です。インスタントコーヒーの製法であるフリーズドライ(凍結乾燥)が学位論文のテーマでした。高品質で安全かつ低価格な食品を消費者に提供することが近代的な食品工業の役割ですが、食は人間の歴史とともにあるという事実に着目するならば、食を扱う学問は複眼的な思考によりさらに深められるであろうと考えています。単にトレードオフ問題を工学的に最適化するだけではなく、先人の食文化研究の成果を踏まえつつ、食の未来像を描いていきたいと考えています。

最近の主な活動

私の研究室に所属している学生(佐々木俊介君)が第13期フェローに選出されたのに加え、第9期フェローの渡辺浩平さんが代表をされているCollaboration Projectのメンバーに加えていただいたという縁もあって、最近は「ゴミ問題をどう解決すべきなのか」を探究する機会が増えてきています。

Sasaki, S., Araki, T., (2013). Employer–employee and buyer–seller relationships among waste pickers at final disposal site in informal recycling: The case of Bantar Gebang in Indonesia. Habitat International, 40, 51-57.

Sasaki, S., Araki, T., Tambunan, A. H., & Prasadja, H. (2014). Household income, living and working conditions of dumpsite waste pickers in Bantar Gebang: Toward integrated waste management in Indonesia. Resources, Conservation and Recycling, 89, 11-21.

Sasaki, S., & Araki, T. (2014). Estimating the possible range of recycling rates achieved by dump waste pickers: The case of Bantar Gebang in Indonesia. Waste Management & Research, 32, 474-481.