The Nippon Foundation Fellowships for Asian Public Intellectuals


Motohide Taguchi 田口 雅英

田口 雅英

Motohide Taguchi
田口 雅英

作曲家

プロジェクトのテーマ

アジア人として作曲すること—フィリピン及びインドネシアにおける現代音楽作曲家の作品と伝統音楽の関係性を通しての考察ー

プロジェクト概要

フィリピンとインドネシアの、自国の伝統音楽の要素を作品に反映させている作曲家達の作曲上の思想や技法を知ることを通して、自らの創作において、日本やアジアの伝統音楽の思考法を作品に活かす新しい方法論を探る。

研修国

フィリピン・インドネシア

自己紹介

大阪教育大学、茨城大学大学院等で学ぶ。音楽学を、馬淵卯三郎・伊東信宏、作曲を、松永通温・松尾祐孝・早川和子の各氏に師事。1999年第16回日本現代音楽協会作曲新人賞入選。2002年8th International Young Composers' Meeting(オランダ・アペルドールン)参加作曲家に選ばれ奨学金を得て参加。同年6月より1年間日本財団APIフェローシップの助成を受け、フィリピンとインドネシアで現地の作曲家の作品と民族音楽の関係に関しての調査や、現地での作品発表を行う。 2010年10月より8ヶ月間、Asian Scholarship Foundation Asia Felllow Program の助成を受け、タイで同様の調査を行う。

日本やアジアの伝統音楽の要素を自作品に反映させる事に興味があり、伝統音楽の構造の応用や、儀礼的要素の導入等、様々な手法を試みながら作曲活動を続けている。日本現代音楽協会会員。

主要作品   ()内は初演年度、会場、コンサート名等

  • トロンボーンとピアノの為の「溶解」
    (1999・東京/第16回日本現代音楽協会作曲新人賞本選会)
  • 6奏者の為の「多層」
    (2000・東京/作曲グループ「屮」第15回作品展)
  • 2面の箏と尺八の為の「かつ消え、かつむすびて」
    (2001・東京/Con’temporary Ko to...Vol.2「箏、つかの間の現代、から・・・」)
  • 10人のパフォーマ−の為の「雨を待つこころ」
    (2002・マニラ/An Evening of Asian Contemporary Music)
  • Music in Three Movements
    (2005・ジョグジャカルタ/10th Yogyakarta Gamelan Festival)
  • リコ−ダーの為の「犀の角のように」
    (2007・東京/作曲グループ「屮」第22回作品展)
  • 邦楽器とCHIN-DONG Orchestraの為の「ダンス」
    (2008年・東京/現音・現代の音楽展2008 フュージョンフェスタ)
  • 尺八独奏の為の「乱菅垣」
    (2014・東京/現音・秋の音楽展2014−II アンデパンダン展第1夜)
  • ピアノの為の「ジャスミンの花の為に」(2015/4月・ヒューストン(アメリカ) / Doctoral Solo Recital of Christopher McKiggan: Resonance of Hope)

APIでのプロジェクト終了後の主要な活動

自作品の発表(2013-2015)
  • 鍵盤ハーモニカ3重奏の為の「3分間の夢想」(2013/2月・芦屋 /野村誠 鍵ハモトリオ「鍵盤ハーモニカ3重奏のために。」)
  • トイピアノの為の「Toy Melody」再演 (2013/5月・京都、山口 /クラウディア・ヴィルクホルツ リサイタルツアー)
  • 三味線弾き歌いの為の「女宮木」(2013/11月・東京 /現音・秋の音楽展2013-III アンデパンダン展第2夜)
  • サウンド・インスタレーション「Between Shifted Memories」 再展示 (2014/9月・ヨハネスブルグ /The international Unyazi Electronic Music Festival)
  • 尺八独奏の為の「乱菅垣」
    (2014/11月・東京/現音・秋の音楽展2014−II アンデパンダン展第1夜)
  • トイピアノの為の「Toy Melody」再演 (2015/1月・京都 /西村彰洋・孫工恵嗣 オルタナティヴリサイタル)
  • サウンド・インスタレーション Sound Narrative: an imaginary soundscape of Manila (2015/2月・マニラ /Listening terminal: Bakawan Art Project)
  • テナーサックスの為の「黒い慟哭」
    (2015/2月・大阪/現代の音楽展2015 - III 平田英治サクソフォンリサイタル~Focus on Saxophone!)
  • ピアノの為の「ジャスミンの花の為に」(2015/4月・ヒューストン(アメリカ) / Doctoral Solo Recital of Christopher McKiggan: Resonance of Hope)

    今後の予定

  • Resonance of Hope ProjectのCD発売(本年中の予定)
  • サウンド・インスタレーション Sound Narrative: an imaginary soundscape of Manila (Listening terminal: Bakawan Art Project の他の参加作品とともに、下記インターネットラジオで公開予定)
    http://www.frameworkradio.net/
  • 第33回Asian Composers’ League Conference and Festival  (2015/11月・マニラ) 参加予定
来日外国人作曲家・音楽学者のレクチャーの企画等
  • JML Round table タイの作曲家シラセート・パントゥラアンポーンを囲んで
    (協力/2014年5月 東京)
  • JMLレクチャー 作曲家 Jonas Baes (フィリピン)
    「自作品を語るーそのパフォーマンスの社会文化的側面」
    (協力/2009年4月 東京)
  • 船場アートカフェ主催レクチャーシリーズvol.1「ホセ・S・ブエンコンセホ 聴く力:フィリピンの街のサウンドスケープ」
    (講演アシスタント/2006年5月 大阪)
  • JMLレクチャー 「フィリピン現代音楽の今―Ramon Pagayon Santos」
    (企画/2003年9月 東京)
大学の講義への協力
  • Koto Repair Lecture (University of the Philippines, College of Music) (講師派遣への協力/2013年8月 マニラ)
音楽作りワークショップ(2011-2012)
  • Music Making workshop
    (2011年/11月・Metro Manila/Philippine Women’s UniversityとVargas Museum / Nothing to Declare Exhibition関連企画)
  • 音楽作りワークショップ
    (2012年/2月・川崎/末長小学校/日本現代音楽協会、現代音楽教育プログラム研究部会としての活動に、部会メンバーとして参加)
プレゼンテーション
  • The Influences of Traditional Music on Thai Contemporary Music: Final Presentation of the Research Results by Motohide Taguchi
    (2011/6月・Bangkok/Chulalongkorn University)
コンサート企画
  • New Sound Aesthetics vol.1
    (自作を含むインドネシア、日本の電子音楽作品を紹介/2005年1月 大阪)
  • New Sound Aesthetics Vol.2
    (即興演奏のコンサート、自身も竹楽器などで演奏に参加/2005年11月 大阪)
海外の音楽祭への参加
  • Yogyakarta Gamelan Festival (2004,2005,2006)
  • Yogyakarta Contemporary Music Festival (2005,2009,2010)
  • Manila Composer's Lab 2009
  • Nothing to Declare Exhibition: Makati (2011)
  • The Fascinating Sound of Gamelan 2012: Reading Session: Utrecht (2012)
学術誌等の出版物での論文等発表等
  • ルチアーノ・ベリオ作品《Chemins II》における注釈技法について
    (茨城大学教育学部紀要(人文・社会科学、芸術) 59号/2010年:水戸)
  • 書評:Jose S. Buenconsejo. The River of Exchange: Music of Agusan Manobo and Visayan Relations in Caraga, Mindanao, Philippines. (DVD)」
    (東南アジア研究49巻2号/2011年9月: 京都)
  • Traditional Music as a Medium of Collective Memories: Cases from Batanes and Biwako (Living Landscapes, Connected Communities: Culture, Environment, and Change across Asia , Arece Books, 2014, Malaysia)
学会等での論文発表
  • The Reflection and the development of the traditional music in the contemporary works in Indonesia - Some examples in Java and their back ground-
    (Conference on traditional Vietnamese and Asian music: Adapting globalized world/2005年1月 ハノイ)
  • The influences of Jose Montserrat Maceda (1917-2004) on Filipino contemporary music
    (API フェローシップ・セミナー/2005年2月 京都)
  • Filipino Contemporary Music: Characteristic Ways of Filipino Composers to Utilize Traditional Music with Contemporary Musical Idioms
    (8th International conference on Philippine Studies /2008年7月 マニラーケソンシティ)