The Nippon Foundation Fellowships for Asian Public Intellectuals


Hozue Hatae 波多江 秀枝

波多江 秀枝

Hozue Hatae
波多江 秀枝

(NGO) Friends of the Earth Japan
委託研究員

http://www.foejapan.org/

プロジェクトのテーマ

「フィリピンおよびマレーシアにおいて日本が関連している民間事業の地元住民への社会影響

プロジェクト概要

日本企業が行なう開発事業が現地住民の生活にどのような影響を及ぼしているか(及ぼしうるか)、また、そうした社会影響を未然に回避、あるいは、軽減するため、住民がどのように開発事業の意思決定プロセスに参加できているかなどを、現地での聞き取りを中心に調査。フィリピンの2事業、マレーシアの1事業を取り上げています。民間事業の社会影響を回避、あるいは、軽減するために求められる企業側の行動指針や姿勢などを提言としてまとめる予定です。

研修国

フィリピン・マレーシア

自己紹介

私は、2001年から国際環境NGO FoE Japan(Friends of the Earth-Japan)開発金融と環境プログラムの正規スタッフとして働き、2007年11月からは同委託研究員を務めています。東南アジア、主にフィリピンに焦点を当てながら、公的金融機関である国際協力銀行(JBIC)の融資で行なわれている開発事業が地元で引き起こしている環境社会問題の解決に取り組んでいます。

主な活動は、JBICの融資している開発事業に関する調査活動、政策提言活動、広報活動です。開発事業による環境社会問題の調査は、地元、地方、国際レベルでのパートナーと協力しながら、実際に開発事業の影響を受けている現地住民への聞き取り調査などを行なっています。そして、そうした聞き取りの内容などを基にしながら、日本ではJBICや日本政府との会合、あるいは、国会の場を通じて、開発事業によって引き起こされている地元の環境社会問題の解決方法、また、公的金融機関が融資を行なう際の環境政策について提言をしています。こうした日本の公的資金(税金や年金など)を使って行なわれる海外での開発事業によって、地元の人々の生活が破壊されている場合があることを日本の一般市民の方に知ってもらうことも重要な活動の一つで、一般・学生向けの現地スタディツアー、大学などでの講演、各種冊子への寄稿など、情報発信も欠かさず行なうようにしています。

2006年からは、フィリピンで犠牲者が急増している政治的殺害の問題にも積極的に取り組むようになりました。フィリピンで起こっている深刻な人権侵害の状況について、日本の市民の方に知ってもらうセミナーを開催したり、日本政府との会合などを行なったりしています。また、「WAYAWAYA」(フィリピン北部で使用されているイロカノ語で「自由」の意)という団体を共同代表として立ち上げ、フィリピンにおいて政治・社会活動を理由に殺害された犠牲者の遺族を支援する活動も始めています。

APIのフェローシップ期間中は、「フィリピンおよびマレーシアにおいて日本が関連している民間事業の社会影響」について調査をしました。日本企業が行なう開発事業が現地住民の生活にどのような影響を及ぼしているか(及ぼしうるか)、また、そうした社会影響を未然に回避、あるいは、軽減するため、住民がどのように開発事業の意思決定プロセスに参加できているかなどを、現地での聞き取りを中心に調べました。民間事業の社会影響を回避、あるいは、軽減するために求められる企業側の行動指針や姿勢などを提言としてまとめています。