本パネルは、変容するアジアの地域秩序について、東南アジア大陸部と中国、また大陸部諸国間の関係を、インフラ開発や人の移動を中心に検討して、東南アジア大陸部各国がそれぞれどのように中国と関係を築き、また、同時に隣国関係をどのように管理しようとしているのかを明らかにすることが目的であった。具体的には、ミャンマー・中国関係の変化、雲南―バンコク経路をめぐる中国の開発政策、タイとミャンマー国境における開発戦略の変遷、タイにおけるカンボジア労働者の帰還要因に関する報告があった。続いて、2名の討論者から、各報告に共通する2010年代の大陸部諸国の政治変容の大きさ、また、習近平政権下での大陸部諸国への対応の硬化と軟化のリズムなどについて指摘と質問があった。30名を越える多くの出席者があり、各発表への質問も多くでた。予定終了時刻を30分越えるほど白熱した議論が展開された。
1. Myanmar’s Political Transition and China-Myanmar Relations since 2011
Lwin Cho Latt (University of Yangon) and Yoshihiro Nakanishi (Kyoto University)
2. An Analysis of the Constraining Factors on the Greater Mekong Sub-regional Cooperation—A Case Study of Kunming-Bangkok Channel
Shulan Zhao (Yunnan Academy of Social Sciences)
3. Capitalizing the Borderlands: Thailand Policy toward Land Using Along Thailand-Myanmar Border since the 1990s
Nattapon Tantrakoonsab (Chulalongkorn University)
4. The Role of China in Cambodia’s Coast
Vinissa Ujjin (Chulalongkorn University)
Discussant: Ukrist Pathmanand (Chulalongkorn University) , Decha Tangseefa (Thammasat University)