ラオスの土地・森林政策をめぐる中央地方関係
研究代表者:瀬戸 裕之
期間:2011年〜14年度
概要
ラオスは、1980年代に市場経済原理を導入し、外国企業の投資を促進しながら経済発展を進めています。また、1997年のASEANへの加盟後は地方分権化政策を実施し、開発での地方の主体性を強化しています。一方、ラオスは多民族国家であり、移動耕作(焼畑)を行う山地民の貧困への対策が重視されています。その中で、県レベル、郡レベルの地方行政機関は、外国企業による投資を促進する過程で、高地民の低地への移住を実施し、パラゴムなどの商品作物栽培を高地民の移住後の職業として利用するなど、経済発展と住民の管理を結合させています。
本研究は、ラオスの土地・森林政策の変化と実施過程での中央政府、地方行政、地域住民の間での相互関係を分析し、土地・森林政策と外国企業による投資との関係、政策が地域の住民に与える影響、地方行政による外国企業と住民の間の利害調整を明らかにすることで、地域統合の過程における資源管理の変化と地方行政の役割について検討します。