第31回 2007年度:「時空間で地域を観る・解く・語る−地域研究と空間情報科学−」
開催期間:平成19年9月3日(月)〜7日(金)
開催場所:京都大学東南アジア研究所 東棟2階セミナー室
Application Form (締切:平成19年7月06日)
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本年度のセミナー内容
近年の情報技術の急速な進展で、地域研究においても情報学を応用した研究が展開されつつあります。特にGIS (地理情報システム)やRS(リモートセンシング)は、自然環境・生態、歴史、社会などの研究のツールとして重要な役割を果たしてきました。最近ではこれらの情報技術や情報学を応用した先進的な研究事例も生まれつつあります。
こ地域研究におけるGIS/RSの応用が拡がる中で、地域における自然・社会的な現象や歴史的な事象を時空間にもとづいて観察し、分析して、地域のしくみ・なりたち・うごき、そして地域間の関係を明らかにしようとする、空間情報科学の視点からの研究もみられるようになってきました。地域研究では空間情報科学のほかネットワーク理論、統計分析、シミュレーションなど情報学の手法を導入した地域情報学の創出と体系化も試みられています。また、フィールドワークにもとづく地域研究に時空間の視点と情報学の手法を結びつけることで、新たな地域の見方や先駆的な知見を生み出す可能性を追求する研究も広がりつつあります。
本年度のセミナーは、空間情報科学を中心とする情報学と地域研究を結びつけて「地域を観る・解く・語る」可能性に迫ろうという企画です。初日の総論に引き続き、第2〜5日目は、「フィールドワークとGIS/RSにもとづく自然環境・生態分析」、「東南アジア地域社会の時空間的理解」、「時空間理解におけるGISの可能性」、「環境と健康の空間情報解析」を内容とした各論、そして総合討論というプログラムです。また、受講生に研究成果を発表していただき、それについて討論する時間も設けています。
プログラム:
月日 | 時間 | 内容 | 担当 |
---|---|---|---|
9月3日(月) | <総論−地域研究と空間情報科学> | ||
9:20 – 10:50 | 所長挨拶、図書紹介 | 水野 広祐、北村 由美 | |
11:00 – 12:30 | 地域研究への情報学の応用 | 柴山 守 | |
13:30 – 15:00 | 時空間で読み解く歴史−英国議会資料 | 杉原 薫 | |
15:10 – 16:40 | 受講生自己紹介 | 中口 義次 | |
17:00 – 18:30 | 実習 GISの実習 | 星川 圭介、米澤 剛 | |
9月4日(火) | <フィールドワークとGIS/RSにもとづく自然環境・生態分析> | ||
9:20 – 10:50 | RSで観えるもの・観えないもの−自然環境と人間活動 | 越智 士郎(近畿大学) | |
11:00 – 12:30 | フィールドで見る・RS/GISで解く−農業発展の軌跡 | 星川 圭介 | |
13:30 – 15:00 | 地図を読む・語る−土地利用システムの分析 | 河野 泰之 | |
15:10 – 16:40 | 実習 RS/GISによる解き方 | 星川 圭介 | |
9月5日(水) | <東南アジア地域社会の時空間的理解> | ||
9:20 – 10:50 | 時空間で語る社会変容−東南アジア大陸部山地 | 柳澤 雅之(地域研) | |
11:00 – 12:30 | ボルネオ研究と地域情報学 | 石川 登 | |
13:30 – 15:00 | 受講生発表・討論 | 米澤 剛、中口 義次 | |
15:10 – 16:40 | 受講生発表・討論 | 米澤 剛、中口 義次 | |
9月6日(木) | <時空間理解におけるGISの可能性> | ||
9:20 – 10:50 | 4次元GISで語る都市形成過程−ハノイの事例 | 柴山 守 | |
11:00 – 12:30 | 地下のしくみと地上をつなぐ空間情報分析 | 米澤 剛 | |
13:30 – 15:00 | 地域研究資料と時空間分析ツール | 原 正一郎(地域研) | |
15:10 – 16:40 | 実習 GISの可能性 | 米澤 剛、星川 圭介 | |
9月7日(金) | <環境と健康の空間情報解析、総合討論> | ||
9:20 – 10:50 | 気候変動と感染症 I | 西渕 光昭 | |
11:00 – 12:30 | 気候変動と感染症 II | 林 泰一(防災研) | |
13:30 – 15:00 | 空間情報科学の動向と課題 | 柴崎 亮介(東京大学) | |
15:10 – 16:40 | 総合討論 | 米澤 剛、中口 義次、星川 圭介 |