【受賞】松林公蔵(名誉教授)が「本邦ならびに東南アジアにおけるフィールド医学の 構想と実践による業績」に関して第68回保健文化賞を受賞しました。
ホテルオークラ東京での贈呈式(10月20日)
受賞名: 「第68回保健文化賞」 詳細»
受賞理由: 「高齢者医療は病院では完結せず、高齢者が日々生活する家庭・地域が重要であるとの発想のもと、多種職の医療スタッフが病院から地域へ出る「フィールド医学」を構想し、地域住民との協働により実践して多大な成果を上げ、地域の保健予防活動に貢献したこと」
10月20日:第一生命、厚生労働省、朝日新聞文化事業団、NHK文化事業団による賞状と記念品の贈呈式
10月21日:宮中にて天皇皇后両陛下の拝謁を賜る
受賞にあたってのコメント
このたびは、私の年齢と同じ歴史を有する栄誉ある賞をいただきまことに光栄に存じます。ご推薦いただいた河野所長、資料作成にあたっていただいた坂本准教授に深甚の感謝を申し上げます。
私は、高齢者医療は病院では完結せず、高齢者が生活する地域に医療スタッフがでてゆく必要があるとの発想から、医師のみならず多種職の専門家と学生・院生を含めて地域に入る「フィールド医学」を創始しましたが、その成果が医学領域に認知されて嬉しく思います。
異なる生態系、異なる文化のなかで生活する高齢者の健康度とともに生き様を学べたことは、京都のフィールドサイエンスの仲間と東南アジア研究所の同僚・院生のかたがたのおかげです。疾病や老化とは、生物学的な人類共通の現象と考えられがちですが、自然環境・文化の影響を濃厚に受けることを痛切に認識しております。
医学には、医療知識・技術が必須ではありますが、究極的には地域理解と人間学が必要であり、「フィールド医学」が、その精神の一端を医学の世界の後代に伝えることができれば幸いと考えております。
(松林公蔵)
■第68回 「保健文化賞」
■第68回「保健文化賞」受賞者の決定について