所属部門:地域研究情報ネットワーク部
職 名:連携准教授
専門分野:
E-Mail:rsuzuki[at]cseas.kyoto-u.ac.jp
個人WEBページ:
研究概要:
- ミャンマー・バゴー山地のカレンの長期休閑型の焼畑及び北ラオスのカムの短期休閑型の焼畑の過去10-20年程度の焼畑移動耕作の履歴と休閑地の植生回復の関係を,聞き取り調査,植生調査,衛星画像解析を組み合わせて解析し,休閑期の早期の植生回復を促す焼畑民の在来知を実証データを用いて論じている。
また、滋賀県湖北の余呉町で現在も営まれる焼畑に受け継がれた技術や知恵に学び,焼畑を活かした日本の里山再生と地域活性化を目指している。多様な生物を育む焼畑休閑林は,人々の生業の場として里山と同等の機能を果たしており,余呉町では休閑期に再生するヤマグワが養蚕に活かされてきた。このような,焼畑と森林利用の歴史を丁寧に掘り起こしながら,現代の余呉町に適した森づくりのあり方を地域の人々と共に考えている。
また,現在でも里山景観が残る亀岡市大槻並集落でも調査研究を行っている。大槻並の里山では自家消費用の薪炭材採取のため,毎年小規模の里山林が皆伐されている。里山の多様な生態系の復元と保全には,このような小面積皆伐が理想的だが、住民の高齢化・過疎化に伴い里山利用頻度は低下している。50年以上放置された里山林では,コナラ等の落葉樹の後継樹が育っておらず、将来的には林床の暗い常緑樹林への遷移の進行に伴う生物多様性の低下が危惧される。大槻並集落の里山の生物多様性保全と地域再生の両立に向け,学生実習の場としての里山の活用や大槻並ブランドの日本酒の開発など,地域・大学・地元企業が一体となり,様々な活動に取り組んでいる。