所属部門:地域研究情報ネットワーク部
職 名:連携研究員
専門分野:
E-Mail:mfujii[at]cseas.kyoto-u.ac.jp
個人WEBページ:
研究概要:
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滋賀県の野洲川流域の農村を事例に、河川の治水をめぐる公共事業によって農村社会がどのように変化を余儀なくされ、それを地域住民は超克していったのかを検討する。そして、公共事業による技術対応としての生存基盤整備の問題が、地域の人々にとっては、最初は矛盾の投げかけから出発することを明示したい。その矛盾の主体的な解消こそが、新たな生存基盤を創出していくことを考察する。自然災害にかかわる生存基盤の整備は、自然を利用してきた農村住民にとって、痛みを伴った新しい挑戦であることを明らかにしておきたい。アジア・アフリカの公共事業による農村の生存基盤整備は、今尚、技術優先で、強大な国家権力が、住民の痛みを無視して、国益優先で計画実施されることが多い。本研究の成果である野洲川流域の事例は、アジア・アフリカでの公共事業による自然災害に対する生存基盤整備のための「協働の知恵」を発動する具体的なモデルとなろう。「協働の知恵」という生存基盤持続型パラダイム構築に寄与できる。