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アジア経済発展論研究会 1月研究会(定例)

2016/01/21 @ 5:00 PM - 6:30 PM

研究会website
http://www-archive.cseas.kyoto-u.ac.jp/www/2016/~fmieno/Asia%20Economic%20Seminar.html

日時:2016年1月21日(木)17:00-18:30 
場所: 病院地区(医学部構内)東南アジア研究所 稲盛財団記念館  2F(I201)東南亭(下記地図37番のビル北端)
地図http://www.kyoto-u.ac.jp/en/access/yoshida/pharmaceutical.html

 

報告者: 池田真也(九州大学大学院工学研究院 学術研究員)
タイトル: 「ジャワの抑制する農業発展:スーパーマーケット革命と隠れた商慣行」

Abstract:
途上国一般でスーパーマーケットが形成する新たな流通は、従来支配的であった伝統的な卸売流通ではなく、産地の出荷業者との売買契約により成立し、節約された中間マージンと高価格取引で生産者をより豊かにする。そのため、ジャワの農業生産を支える小農がスーパーマーケットとの契約生産へ円滑に移行することは農業発展の重要な課題である。しかし、これまで流通を支配してきた産地、消費地の商人を無視した農業発展は本当に可能なのだろうか。本研究では、ジャワ島の青果物の伝統的流通に着目し、インフォーマルな卸売制度と、産地における小農と商人との伝統的な商慣行の仕組みを計量的に分析して、その代替可能性を
検討した。分析の結果、卸売市場は参入者の登録制などの制度が欠如しているにも関わらず商人の分業が進むことで機能しているが、効率性は認められず、新たな流通への代替が示唆された。一方で産地の労働慣行として知られた、トゥバサンと呼ばれる収穫前販売契約は、家計労働に頼れない小農に利するとともに、迅速な青果物の評価と確保を可能にし、スーパーマーケットの産地サプライヤーと小農を結びつけていた。しかし、農業組合を通じた共同出荷やスーパーマーケット側による生産補助など、小農の資源制約を緩和する組織形態が広がれば、商人を介さない直接的契約の方が小農に利することが示唆された。小売主導の新たな
市場形成は伝統的な流通に代替する、より優れた均衡への望ましい発展であるが、少なくとも現状のジャワにおいては、伝統的な流通の商慣行がスーパーマーケットの急進に適応し、それに雲隠れしながら小農の市場参加を支えているのである。

言語:日本語

 

研究会幹事:
京都大学東南アジア研究所 三重野 
E-mail: mieno-lab[at]cseas.kyoto-u.ac.jp
Tel: 075-753-7311
京都大学経済学研究科 矢野
京都大学経済学研究科 高野

詳細

日付:
2016/01/21
時間:
5:00 PM - 6:30 PM
イベントカテゴリー:

主催者

三重野 文晴
電話番号:
075-753-7311
メール:
mieno-lab@cseas.kyoto-u.ac.jp
Web サイト:
http://www-archive.cseas.kyoto-u.ac.jp/www/2016/~fmieno/Asia%20Economic%20Seminar.html