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東南アジア学会関西例会1月キリスト教特集
2017/01/21 @ 2:00 PM - 6:00 PM
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日時: 2016年1月21日(土)14:00~18:00(13:30開場)
場所: 京都大学稲盛財団記念館2階セミナー室(213)
(http://www-archive.cseas.kyoto-u.ac.jp/www/2016/access/)
当日は川端通り沿いの正面玄関からお入りください。裏口は閉まっている可能性が高いです。
内容:
発表1時間、質疑応答20分
①14:00-15:20 古沢ゆりあ:フィリピンの聖母崇敬と聖画像の現地化-西ネグロス州シライ市の「バランガイの聖母」を中心に
5分休憩
②15:25-16:45 田崎郁子:プロテスタント・キリスト教の宣教活動と男女の役割分業の再編:タイ山地カレン民族を事例として
15分休憩
③総合討論
17:00-18:00
コメンテーター:片岡樹(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 准教授)
【発表者】古沢ゆりあ
【タイトル】フィリピンの聖母崇敬と聖画像の現地化-西ネグロス州シライ市の「バランガイの聖母」を中心に
【所属】総合研究大学院大学文化科学研究科比較文化学専攻 博士課程
【要旨】
本発表は、アジアにおける西洋キリスト教図像の受容・変容と、視覚イメージにおける民族アイデンティティ表象の観点から、フィリピン近現代美術に見られる「民族衣装をまとった聖母」像について論じるものである。20世紀以降アジア各地において同時多発的に創出された、民族衣装をまとい現地の女性の容貌をした聖母の絵画や彫刻のフィリピンにおける事例に焦点を当て、その成立の背景と受容のあり方を明らかにする。
発表では、まずフィリピンにおける聖母崇敬のあり様と聖画像の役割について概観してから、「バランガイの聖母」についてとりあげる。これは1950年代にネグロス島シライ市で信仰刷新運動の守護聖人として誕生した聖母の聖画である。現地の衣装をまとった女性として描かれた聖母が、民族アイデンティティという近代国家的な言説との結びつきを超えて、ローカルな民衆的信心の文脈で受容される様子を、宗教実践における信徒の人々と聖画像との関わりや奇跡譚を通してとらえてみたい。
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【発表者】田崎郁子
【タイトル】プロテスタント・キリスト教の宣教活動と男女の役割分業の再編:タイ山地カレン民族を事例として
【所属】大谷大学真宗総合研究所東京分室 PD研究員、京都大学東南アジア研究所 連携研究員
【要旨】
本発表では、タイ国北部山地に居住するプロテスタント・キリスト教徒カレン民族の事例から、白人宣教師らによる宣教活動がローカル社会の男女の役割分業に与えた影響を考察する。それによって、従来民族のアイデンティティや改宗の動機、神格・教義の解釈など形而上学的な議論の多くなされてきた東南アジア大陸部山地のキリスト教徒の日常生活の再編や、キリスト教のもたらした世俗的な部分の変容を描き出したい。発表では特に女性に着目し、1)宣教活動の中で女性の役割や労働がどのように捉えられてきたのか、2)その影響下でローカルな男女の役割分業がどう再編してきたのか、をフィールドワークと宣教師の資料の分析から明らかにする。そして、生産労働と再生産労働、ジェンダー関係の再構築を通して、従来伝統的な儀礼実践によって自己を家族や村社会の中に位置づけると論じられてきたカレンの人々が、キリスト教受容に伴い労働と教会活動によって自己を位置づけるようになった様子を提示する。
●例会終了後には懇親会も予定しております。こちらもぜひご参加ください。
●以下は関西例会のホームページへのリンクです。
https://sites.google.com/site/kansaireikaitounanajia/home
●東南アジア学会関西例会委員
西芳実
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詳細
- 日付:
- 2017/01/21
- 時間:
-
2:00 PM - 6:00 PM
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