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東南アジア学会関西例会12月21日(土)

2013/12/21 @ 2:00 PM - 6:15 PM

12月21日(土)に行われます東南アジア学会関西例会のご案内です。

今回はお二人の若手研究者によるミャンマー特集です。
オープンな研究会ですので自由にご参加ください。
事前登録等の手続きは必要ありません。

 
●日時・場所
2013年12月21日(土)14:00~18:15(13:30開場)
京都大学総合研究2号館4階会議室(AA447)
(百万遍のキャンパスです、会場地図参照)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/about/access

1)14時~16時
長田紀之:「国境」の胚胎――植民地期ラングーンの移民統治とビルマ国家

2)16時15分~18時15分
池田一人:ビルマのカレンをめぐる民族知識の形成史―だれが、なぜ、どのような「カレン」を必要としたのか―

 

●発表者1:長田 紀之
【タイトル】「国境」の胚胎――植民地期ラングーンの移民統治とビルマ国家
【所属】日本貿易振興機構アジア経済研究所 リサーチ・アソシエイト
【要旨】
本報告は、植民地期ラングーンにおいて大量の流動人口に対処するための諸制度がいかに構築されたかを検討し、そこにビルマの領域の内外を分かつ制度や範疇が生成される過程を見出す。具体的には、三つの行政分野―公衆衛生、治安維持、都市計画―について、植民地権力の都市社会問題への対応を考察する。植民地期(正確には1937年まで)のビルマは英領インドを構成する一地方行政体=ビルマ州であった。ビルマ州においてインド亜大陸から流入する大量の移民労働者は、植民地ひいては帝国の経済発展に不可欠な存在であり、安価な労働力の無制限流入が保証されるべきであると考えられた。一方、ビルマ州の統治という観点からは、無制限の移民流入は疫病や犯罪の増加といった不安要素をもたらしうるものでもあり、ある程度の移民統制が必要視された。地方的植民地権力たるビルマ州政庁のイギリス人行政官たちは、労働供給を維持するという条件の下で、徐々にラングーンに移民統治制度を構築し、実践していった。本報告はこの過程を植民地ビルマの領域が国家的な単位として立ち現れてくる現象の一局面として描き出す。

 
●発表者2:池田 一人
【タイトル】ビルマのカレンをめぐる民族知識の形成史―だれが、なぜ、どのような「カレン」を必要としたのか―
【所属】大阪大学大学院言語文化研究科
【要旨】
ビルマの民族カレンはおおく、「キリスト教徒」「親英」「反ビルマ」「分離主義」などのイメージで語られてきた。そのイメージが派出したカレンについての知識はどのように形成されたのだろう。個々の知識には特定の語り手と固有の意図・対象・文脈があり、伝播と継承の途上で取捨選択され、解釈とあらたな知見が付加され堆積していく。この相のもとに置けば、いま一般化しているカレンの知識は、18世紀以来の旅行者の見聞録と王朝下の断片的記述あたりにその生成の起点がある。カレンの知に基本骨格と核心を与えたのは19世紀の米人バプティスト宣教師であり、英人官僚は人口や分類などの行政データを整えた。20世紀、宣教と植民地経営の営みから出た人類学と言語学が、カレンに民族としての学的承認を与える。カレン自身は植民地空間の成熟とともに名乗り始めて、そのあり方が植民地ナショナリズムの展開に即して政治問題化した。そして独立をはさんだカレンをめぐる民族政治の過程は、政治学の格好の対象として記述されていった。このようなカレン知の形成史を跡づけることによって、だれがどのような「カレン」をなぜ必要としたのか、その知に写りこんでいる光景にはどのような意味があるのかなどを問うことができよう。報告のもとになる拙論は以下のURLで取得可能。( http://hdl.handle.net/2261/52868

例会終了後には懇親会も予定しております。こちらもぜひご参加ください。

関西例会では今後の例会の報告者を募集しています。報告を希望される方は、関西例会連絡係りの田崎(tazaki at asafas.kyoto-u.ac.jp)までお願い致します。また以下関西例会のホームページへのリンクです。

こちらもご活用ください。
https://sites.google.com/site/kansaireikaitounanajia/li-huinoo-zhirase

 
●東南アジア学会関西例会委員
片岡 樹、岡本 正明、小島 敬裕、田崎 郁子

【問い合わせ先】 田崎 郁子
e-mail:tazaki at asafas.kyoto-u.ac.jp

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日付:
2013/12/21
時間:
2:00 PM - 6:15 PM