基盤研究(B)

自然災害からの創造的な復興の支援を目指す統合的な民族誌的研究

研究代表者 : 清水 展

研究分担者 : 山本 博之、重川 希志依、木村 周平、大矢根 淳、大谷 順子

期間 : 2011-2014年度

研究概要 :

 メンバーは人類学、社会学、地域研究、土木・都市計画学などの専門家で、いずれも自然災害からの復興支援に深く関わる研究者による学際的共同研究です。調査地域は、フィリピン、タイ、インドネシア、中国、トルコ、日本(雲仙、中越)など多様です。全員が、それぞれの国・地域において自然災害がもたらした被害と、その後に進められた社会と経済の再建について短くて数年、長ければ20年の過程を観察し調査しています。2010年秋に本科研の申請をしたときには、その数ヶ月後に東日本大震災が起きることは予想しませんでした。申請時の計画は、私自身が深く関与したフィリピン・ピナトゥボ山の大噴火(1991年)で被災した先住民アエタの20年間の復興の過程を、他の災害被災地・被災者と相互に比較しながら研究しようとするものでした。大震災が襲ったことにより、当初の計画を修正し、日本との比較の観点と日本への提言を心がけることを課題としています。
 

1991年に大噴火を起こしたピナトゥボ山に向かい、サント・トーマス河畔の 丘に建立されたキリスト像。

1991年に大噴火を起こしたピナトゥボ山に向かい、サント・トーマス河畔の丘に建立されたキリスト像。

ピナトゥボ山の大噴火で故郷の集落を追われ、オロンガポ市郊外のカバラン再定住地で生活する先住民アエタ。オロンガポ市の祭りの行進に参加し、先住民としての存在を訴える。

ピナトゥボ山の大噴火で故郷の集落を追われ、オロンガポ市郊外のカバラン再定住地で生活する先住民アエタ。オロンガポ市の祭りの行進に参加し、先住民としての存在を訴える。

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