基盤研究(B)

アジア農業金融研究のパラダイム転換―農村社会構造に着目した比較地域分析

研究代表者 : 藤田 幸一

研究分担者 :

期間 : 2012-2015年度

研究概要 :

 協同組合金融の成否が、アジア各地域で長い歴史を通じて形成されてきた農村社会構造と密接な関係があったとする仮説を基本に、アジア農業・農村金融のパフォーマンスについて比較地域分析を行います。対象地域は、日本、台湾、韓国、中国、ベトナム、インドネシア(ジャワ)、タイ、ラオス、ミャンマー、バングラデシュ、インドです。東南アジアや南アジアでは戦前・戦後に協同組合金融が総じて無残な失敗に終わりましたが、1980年代以降の金融自由化の進展とマイクロファイナンスの興隆は、その失敗に対する2つの異なる反応だったと考えられます。その帰結としての月利3%程度で高止まりしている農業・農村金融の現状を、各地域での詳細な調査・分析を通じて批判し、高金利の現状を容認している欧米主導の研究パラダイムの転換を促します。
 

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