若手研究(B)

ヒマラヤ高地における生活習慣病と食に関する「フィールド栄養学」研究

研究代表者 : 木村 友美

研究分担者 :

期間 : 2013-2015年度

研究概要 :

 生活習慣病の増加は、世界各国で深刻な社会問題となっているが、途上国では特に、保健行政の基盤が不十分で医療設備も乏しいため、日常の食事からの健康増進を目指すアプローチが重要である。本研究では、高所辺境地であるヒマラヤ高地においても近年増加しつつある生活習慣に着目し、その発生と生活背景との関連の特徴を食の視点から考察し、将来的な予防介入への糸口を提示することを目的とする。本研究の調査手法として、新たに構築した「フィールド栄養学」調査手法を用いる。これは、既存の栄養学的アセスメント法に加えて、独自に開発した食多様性スコア: 11-item Food Diversity Score Kyoto, FDSK-11を用い、さらに地域ごとの環境・文化的背景を調査する人類学的考察を適用することで、ヒマラヤ高地に住む人々の食の現状と変化を多面的に把握し、それが地域の生活習慣病の発生にどのように関連しているかを明らかにする。本研究では特に、食生活の影響を長年にわたって受けている高齢者に焦点をあて、生活習慣病(肥満、糖尿病、高血圧)との関連を明らかにするとともに、地域にそくした、食に関する多様な因子と健康との関連を解明し、食から健康にアプローチする糸口を提示する。
 

地元の医療スタッフの協力のもと、遊牧民の健診を行う(インド・ラダークにて)

地元の医療スタッフの協力のもと、遊牧民の健診を行う(インド・ラダークにて)

遊牧民の食事にも、大麦から米への主食の転換がみられる(インド・ラダークにて)

遊牧民の食事にも、大麦から米への主食の転換がみられる(インド・ラダークにて)

インド・ラダーク地方(標高4500m)でのメディカルキャンプ

インド・ラダーク地方(標高4500m)でのメディカルキャンプ

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