cseas nl75 年次報告会 CIRAS

共同利用・共同研究拠点
「地域情報資源の共有化と相関型地域研究の推進拠点」

柳澤雅之(京都大学東南アジア地域研究研究所))

東南アジア地域研究研究所附属CIRASセンターは、地域研究コミュニティの協力参加のもと、公募による共同研究や公開シンポジウム・公開ワークショップなど、学内外に広く開かれた研究システムを導入している。地域名を冠さない地域研究の拠点として、2020年度は、公募により17件の課題を採択した。

すべての研究課題の成果報告を公開する場として、通常であれば、年度末(2月中旬)に、各課題の代表者が一堂に会する成果報告会を実施していた。しかし、コロナ禍の今年度、いつもとは異なる開催方式を採用した。

今年度の研究活動の成果報告は、各課題の代表者によって10分間の口頭発表にまとめてもらい、オンデマンド配信によって一般に視聴してもらうこととした。はじめての試みであったが、スライドを繰り返し見ることができることや、遠方からも気軽に参加できることなど、口頭発表とは異なるメリットもあった。心配された、機材や通信の大きなトラブルもなく実施することができた。仮にコロナ禍が収束し対面での報告会形式に戻ったとしても、オンラインを併用することのメリットを確認することができた。

また、2021年2月16日に、すべての課題の代表者にオンラインで集まってもらい、「コロナ禍における地域研究」に関して意見を述べてもらうオンライン・ワークショップを開催した(表)。

2020年度採択課題一覧

 

通常の成果報告会とは異なり、コロナ禍の中での研究会実施や現地調査の方法等について、苦労話やそれぞれの工夫について意見を交換した。共通の課題を抱えている研究者が多い中で、こうした経験の共有は大変意義深いものであった。

末尾になりますが、これらすべての研究活動に関わってくださった課題代表者、共同研究員、ならびに、共同研究委員のみなさまに心より御礼申し上げます。