ASEAN経済は輸出製造業による工業化過程を辿りつつ、新しい環境エネルギー資源やバイオ由来の技術革新という経済成長の新しい可能性を示しつつあります。
それは都市と農村、産業の担い手、エネルギー需給、社会福祉等再分配制度などに関わる社会の新しい変容をもたらすであろうし、そこに技術革新と技術協力の新しい方向が生み出されてくる可能性が秘められています。
ASEAN経済は輸出製造業による工業化過程を辿りつつ、新しい環境エネルギー資源やバイオ由来の技術革新という経済成長の新しい可能性を示しつつあります。
それは都市と農村、産業の担い手、エネルギー需給、社会福祉等再分配制度などに関わる社会の新しい変容をもたらすであろうし、そこに技術革新と技術協力の新しい方向が生み出されてくる可能性が秘められています。
ASEAN地域は、急速な経済成長のもとで急激な都市化、プランテーション開発、鉱物採掘などにより森林破壊が進み、生物多様性の喪失も加速度的に進む状況にあり、水資源不足も課題となりつつあります。
ASEAN地域の位置する熱帯・亜熱帯地方は、気候変動の影響が最も高い地域である上に、経済成長に伴う環境変容により、その脆弱性は高まっています。
日本の誇る最先端の科学技術研究の成果、文理融合型アプローチを在地の知と組み合わせて、ASEAN独自の「環境再生」モデルを作り上げることができれば、在地性も重視しているだけに、そのモデルは世界的にも魅力的なものとなるはずです。
ASEANは、日本と共に環太平洋造山帯の上にあり、太古から地震や火山等の災害の影響下にあります。
また、21世紀には、急速に少子高齢化が進むことが見込まれています。
日本が最先端の科学研究に基づいて開発する住民の「安全・安心」を実現する諸技術および21世紀の高齢化社会に最適化した社会保障やケアの制度設計は、いずれもASEAN地域でその有用性を図ることで、より汎用性の高い資産へ向上させることができます。
同時に、ASEANは、世界で有数の文化的多様性に富んだ地域でありながら、民族間・宗教信徒間の紛争を最小限にとどめ、多元的な共生関係を維持してきた伝統をもちます。
最先端の科学技術と社会制度に、地域独自の文化的伝統の深層理解を融合させ、「安寧社会」のモデルをASEANから構築することは、地球社会の未来を大きく開く可能性をもっています。