東南アジア熱帯域におけるプランテーション型バイオマス社会の総合的研究
研究代表者 : 石川 登
研究分担者 : 杉原 薫、 河野 泰之、徳地 直子、 水野 広祐、内堀 基光
期間 : 2010-2014年度
研究概要 :
現在、エネルギーならびに化学製品への変換技術の革新とともに、石油に替わる有機資源としてのアブラヤシの植栽が東南アジア島嶼部で進んでいます。急速にプランテーションが拡大する熱帯雨林フロンティア地域では、しかしながら、工業用バイオマス量が増大する一方で、森林消失、生物多様性の変化、自然資源に依拠した自然経済(焼畑農耕・狩猟・漁労・森林産物採集)の脆弱化が顕著です。本研究では、熱帯の土地・森林開発と環境依存型経済の維持をトレードオフ関係とみなす従来の前提を超えることにより、生存基盤の新たな確保の方法を模索します。ついては、プランテーションに組み込まれた熱帯社会の生存基盤のあり方を、ローカルからグローバルにいたる様々な分析スケールと文理融合的な分野横断型臨地調査から分析し、熱帯社会の地域益とグローバルなレベルでの公益、さらには資本主義システムと在地の生態系保全の併存といった難題への接近を試みています。