cseas nl75 年次報告会 CIRAS

共同利用・共同研究拠点
「地域情報資源の共有化と相関型地域研究の推進拠点」

柳澤雅之(京都大学東南アジア地域研究研究所)

東南アジア地域研究研究所附属CIRASセンターは、文部科学省から認定された共同利用・共同研究拠点「地域情報資源の共有化と相関型地域研究の推進拠点」として、地域研究コミュニティの協力参加のもと、広い基盤に立った研究の進展をはかるため、公募による共同研究や公開シンポジウム・公開ワークショップなど学内外に広く開かれた研究システムを導入している。2019年度は、東南アジアに限らず世界を視野に入れた、「地域情報資源の共有化(地域情報学)」と「相関型地域研究」のふたつのテーマを重要な事業として推進するため、これらのいずれか、あるいは、双方に関連のある共同研究課題を公募し、15件の課題を採択した。採択された全課題の研究成果報告会を、2020年2月13日、京都大学稲盛財団記念館にて開催した(表)。

2019年度採択課題一覧

 

 研究成果報告会では、従来と異なり、募集の枠組みごとに報告が行われた。すなわち、若手枠6課題、JCAS枠2課題、地域研究方法論枠3課題、一般枠4課題ごとに発表が行われた。参加者数は47名であった。各課題の代表者(および代理の方)に、発表時間が短いにもかかわらず、研究課題の新しい発見や新しい解釈等について簡潔に報告していただいたせいで、口頭発表後も活発な質疑応答が行われた。報告会参加者によるアンケートでは、短時間でさまざまな研究成果を知ることができ、貴重な機会だったという意見が多かった。また、地域研究の方法論や、共同研究を組織・運用する上での工夫を意識した研究報告が増え、ワークショップとして開催する意義を感じられるというコメントもいただいた。この点は、今年度から新たに設けた「地域研究方法論枠」での議論や、「若手枠」でのさまざまなサポートが効果的であったと考えられた。次年度に向けての大きな励みとなった。