環境共生研究部門・特定助教
博士(工学、東京大学)
専門分野は都市・不動産分析
2021年1月1日付けで環境共生研究部門の特定助教として着任しました。白眉センター(第11期)も兼任しております。2019年に東京大学で都市工学の博士号を取得して、2020年12月まで東京大学空間情報科学研究センターに所属していました。専門は都市、住宅を対象とした定量的分析で、不動産取引データや景観画像、アンケート調査結果など、様々なデータ資源を通して都市の現象理解や政策評価を行っています。しかし、修士課程までは都市環境計画や景観設計を主とする分野を学んでいました。その分野は実学重視で、大学院修了後に地方都市のまちづくり活動などを行っていました。その過程で、人口減少する都市に問題意識を持ち、定量的分析を通した説得力のある考えを持ちたいと思い、博士課程に進学しました。
博士課程以降、人口減少を契機に生じている現象の理解や関連データの収集、データベースの構築に注力してきました。具体的には、空き家が管理不全になる際の要因について、建物や周辺環境の条件だけでなく、アンケート調査結果を通した所有者特性にも着目して分析を行いました。また、全国の分譲マンションを対象としたデータベースの構築を行い、情報集約の手法開発や、マンション集積の時空間分析を合わせて行いました。このような研究から、維持管理の必要な住宅の傾向やその地理的分布について明らかにしようと試みています。
今後、住宅・不動産について更なる知見を深めるとともに、工学的な問題解決だけでなく理学的な現象の理解により重点を置いて研究を進めていきたいと思います。なかでも、情報学的な見地から地域理解を図る地域情報学を軸に物事を考えていきたいと思います。これまでは問題意識ベースで、国内の限られたデータの中で研究を進めてきましたが、せっかくCSEASで研究させて頂く機会を得たので、東南アジア地域にも視野を広げ、より多様かつ大きなデータと向き合い、住まいというものがどういう風に価値付けられるのか熟慮していきたいと思います。
最後になりましたが、多様な研究をなされる先生方から刺激を頂きつつ、少しずつではありますがCSEASで行われる研究の根幹に触れていくことができればと思います。よろしくお願いいたします!