5.2 Reconsidering Post-2011 Myanmar Politics from Marginalized Perspectives: Women, Immigrants and Ethnic Minorities

本パネルの趣旨は、長い軍事政権の時代を越えて2011年から改革の時代に入ったミャンマー政治について、民主化や経済発展といったトピックとは違って、これまで軽視されてきた視点から移行期にあるミャンマーの政治について検討するもだった。具体的には、女性、移民、少数民族の3つの視点から、3名の報告者が発表した。発表者それぞれのタイトルは以下のとおり。

1. Women’s Role in Myanmar Politics
Chaw Chaw Sein and Yin Myo Thu (University of Yangon)

2. The Ambivalence of Return and Cross-Border Activities of the Shan across the Thailand-Myanmar Border
Amporn Jirattikorn (Chiang Mai University)

3. Education-Conflict Nexus in Kachin Regions
Dan Hkung Awng Nbyen (Kachinland School of Arts & Sciences)

Chaw Chaw Sein and Yin Myo Thuはテインセイン政権期、アウンサンスーチー政権期の議会に含まれる女性議員や、和平交渉に参加している女性参加者の属性や主張などを通して、現代ミャンマー政治における女性の位置づけを検討するものであった。アウンサンスーチー政権での女性議員の増加や、少数民族地域での積極的な女性の政治参加が明らかにされた。Amporn Jirattikornはタイに労働移民として在住しながら、ミャンマー国内の政府事業(センサスの調査作業)や武装勢力に協力するなど、その多面的な活動とその意義について報告があった。最後に、Dan Hkung Awng Nbyenは少数民族地域、特に紛争周辺地域における代替的な教育活動について、紛争が増大する地域では現在需要が高まっていることが指摘された。その後の質疑応答では、現在の和平交渉をめぐるミャンマー政府と少数民族側との認識のすれ違いや今後の可能性についてパネリスト間で激しいやりとりが交わされるなど、有意義な議論が展開された。

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