京都大学生存基盤科学研究ユニット |
京都大学東南アジア研究所 |
山 地 研 究 会 |
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ISS融合研究プロジェクト
「山地生態資源の持続的利用のための技術融合
と制度設計 −東南アジアを中心として−」 |
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−研究の背景−
グローバリゼーションの波は,政治連携や経済統合にとどまらず,人間の安全保障や貧困撲滅,さらに環境ガバナンスなど,人びとの生活・生業に密接に関連
するレベルまでをも包摂しようとしています。世界の関心が個々の人間,個々の村落にまで及ぶことは,国際的な交易や技術・情報交流が人々の基本的な生活レ
ベルの向上に大きく貢献してきたことを考えると,地球全体としては人類の生存基盤の強化に寄与しているでしょう。
しかし一方で,グローバリゼーションは,それぞれの地域が依拠してきた多様な技術,制度,そして価値を画一的なものへと置き換える作用をもっています。
この置換が根幹的な場合,そして急激に起こる場合には,人びとがそれまで依拠してきた生活の基盤が弱体化する可能性を考慮する必要があります。グローバリ
ゼーションによる生存基盤の弱体化は局地的な現象かも知れませんが,人類社会にとって決して無視できない問題と言えます。
なぜなら生存基盤の弱体化は,自然環境が脆弱な地域や政治的・経済的に弱い立場の地域において現出する傾向があるからです。そして,このような環境的・
社会的弱者に対しても持続的な生存基盤を提供することこそが,人類全体の生存基盤の充実に欠かせないと考えているからです。
−研究の目的− |
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山地の風景 (5) |
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-土石流で倒壊した家屋-
(雲南省のサルウィン河流域) |
山地で生活する人びとは,常に災害の危険とともに生活しており,例えばサルウィン河の流
域では,雨期(7〜9月)に地滑りや崖崩れが頻発します。2006年8月に発生した土石流が河岸に位置していたヌー族の人びとの村落を襲い,家屋は倒壊し
て数名が犠牲となりました。村のある男性は「山に木が減ったから土砂崩れが増えた」と語っていたのが印象的でした。 |
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