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Center forSoutheast Asian Studies Kyoto University

共同利用・共同研究拠点

共同研究 (タイプⅣ: 萌芽型)

「ミャンマー経済発展のためのロードマップと政策に関する研究」
研究代表者: 岡本 郁子(日本貿易振興機構アジア経済研究所・主任研究員)
(実施期間:平成24年度~平成25年度)

研究概要

2011年央以降、ミャンマーでは新しく成立した文民政権の下で経済改革の機運がかつてなく高まっている。財政・金融、工業、農業分野などで広範囲かつ抜本的な改革を含むだけでなく、改革に関与するアクターが多様化している点に大きな特徴がある。本研究は、具体的な政策の展開とそれに関わるアクターの分析を通じて、ミャンマーが目指すべき経済発展の方向性を明らかにすることを目的とする。

研究目的・意義・期待される効果

シャン州・インレ湖の漁民

エーヤーワディ・デルタにて除草作業中の労働者

ヤンゴンの渋滞

ミャンマーは市場経済への移行を唱えながらも、国際社会からの孤立と社会主義的遺制を強く残す恣意的な経済運営の影響で、経済は長らく低迷してきた。2011年の新政権樹立後も抜本的な経済改革には懐疑的な見方が大宗を占めていたが、年央からの政治改革の動きと平行して、政府、国会、そして民間レベルで改革の議論が活発化するようになった。そこには、複数為替制度問題、農地法や外国投資法の改正など、軍政下では先送りされてきた重要な改革も含まれる。また、政治改革の急進展を受けて、欧米の経済制裁解除や国際的経済支援の拡大が予想されている。これらの結果として、ミャンマー経済が短期間で大きく変容する可能性が広がってきた。

しかしながら、国際経済・社会への復帰を急ぐあまり、全体的構想が欠如したまま、やや性急で思慮の足りない改革が矢継ぎ早に打ち出されている印象もある。そこで本研究では、経済改革に向けた政策とその展開、そしてそれを牽引するアクターを分析することによって、ミャンマー経済発展のあるべき方向性を描くことを目指す。それにあたっては、ミャンマー特有の政治・経済体制の歴史的変遷を視野に入れることで、同国の経済発展プロセスの総合的な理解の深化と、世界のミャンマーに対する支援をより効果的にするための基礎的知識を提供することも目指す。

平成24-25年度の研究会
  1. 第2回CSEAS・JBIC共催セミナー
  2. 日時:平成25年1月17日(木) 14:00 - 15:30
  3. 場所:京都大学東南アジア研究所共同棟4階セミナー室(409号室)
  4. 報告者:スドラジャット・ジワンドノ氏(南洋工科大学(シンガポール)教授、1997年アジア金融危機時のインドネシア中央銀行総裁)
  5. 論題: インドネシアの持続的成長への展望―アジア危機前とは違うのか?
  6. 言語:英語
  7. 要旨:リーマンショックの後、欧州ソブリン債務危機が深刻化するなか、先進国が軒並 み景気低 迷を続ける一方、アジアの新興・開発途上国は比較的高い成長を維持 しています。とりわけ人口規模が大きく、天然資源が豊富なインドネシアは、 活発な資本流入を伴う消費主導の好景気を続けています。しかしながら、インド ネシアは、2014年の総選挙・大統領選挙へ向けて政治の季節を 迎えつつあるた め、景気拡 大に歯止めがかからず過熱化し、いずれマクロ経済の不安定化に至 るリスクが懸念されます。特に、先進諸国が超金融緩和政策を進めるなか、イン ドネシアへの 旺盛な資本流入がバブルを招くリスクはないのか、今回はシンガ ポール南洋工科大学S・ラジャラトナ ム国際問題研究大学院のスドラジャッド・ ジワンドノ教授(元インドネシア中央銀行総裁)をお招きし、アジ ア通貨 危機前との比較の観点から、インドネシアの持続的成長への展望を議論します。
  8. 照会先:東南アジア研究所 三重野(mieno-lab@cseas.kyoto-u.ac.jp)
  1. CSEAS・JBIC共催セミナー (東南アジア研究所共同利用・共同研究拠点 「ミャンマー経済発展のためのロードマップと政策に関する研究」)
  2. 日時: 平成24年11月16日(金) 12:30~14:30
  3. 場所: 京都大学東南アジア研究所 稲盛記念会館 2F 東南亭
  4. 講演者:ティン・マウン・マウン・タン氏 (Dr. Tin Maung Maung Than)、シンガポール東南アジア研究所(ISEAS)シニアリサーチフェロー
  5. 演題:"Myanmar's Political Landscape and Economic Prospects"
  6. 討論者:工藤年博 (Mr. Toshihiro Kudo)、 日本貿易振興機構アジア経済研究所主任調査研究員
  7. モデレーター:三重野文晴 (京都大学東南アジア研究所) 、西沢利郎  (国際協力銀行外国審査部長)
  8. 講演者について:
  9. Tin Maung Maung Than, a Myanmar national, is a Senior Research Fellow at the Institute of Southeast Asian Studies (ISEAS) Singapore which he joined in 1983. He is a member of its Regional Strategic and Political Studies Programme of ISEAS. He had taught at RASU and served as a staff officer in the Ministry of National Planning before coming to Singapore. He obtained a Masters in nuclear physics from the Rangoon Arts & Science University (RASU) and a graduate diploma in economic planning from the Rangoon Institute of Economics, as well as a Ph.D. in politics from the School of Oriental and African Studies, University of London. Currently, he is a member of the International Institute for Strategic Studies (London) and the Association for Asian Studies (USA). He is the author of State Dominance in Myanmar: The Political Economy of Industrialization (Singapore: ISEAS, 2007) and “Myanmar’s 2010 Elections, Continuity and Change”, in Southeast Asian Affairs 2011 (Singapore: ISEAS, 2011). His latest publication is a country chapter on “Myanmar”, in Security Sector Reform and Democratization: A Comparative Perspective, ed. Heiner Hanggi and Carolina G. Hernandez (Geneva: Geneva Centre for the Democratic Control of Armed Forces, forthcoming). His research interests include: political economy of development, democratization and civil-military relations in developing countries, human security, nuclear proliferation, Myanmar politics and economics. He is married with three sons.
  10. 言語:英語
  11. *国際協力銀行ブラウンバック形式で行います(軽食を持ち込まれても結構です)。
  12. 担当:三重野 (東南アジア研究所)
  1. 研究会名:平成25年度第1回「ミャンマー経済発展のためのロードマップと政策に関する研究」
  2. テーマ:中国国境地域の麻薬撲滅と少数民族勢力の終焉―1999年-2007年、コーカン民族の声から見えた中国国境地域―
  3. 開催日:平成25年4月12日(金)16時~18時
  4. 場所:京都大学東南アジア研究所・東南亭(稲盛財団記念館201号室)
  5. 報告者:吉田実氏(国際協力機構・農村開発部)
  6. 吉田実氏は、コーカン地区で展開された有名なソバ・プロジェクトで活躍された後、JICAミャンマー事務所で農業・農村開発担当として、そして現在はJICA本部の農村開発部で働いておられます。夏には、再びはじまるJICAのシャン州北部農村開発プロジェクトのリーダーとして現地に赴任される予定です。
  7. 要旨:麻薬ケシ栽培が盛んであった1999年頃から、麻薬撲滅が進んでいき、国境地域はどうなったのか。そして少数民族はどのように「ビルマ」に飲み込まれていったのか。なぜ2003年、コーカン民族は麻薬撲滅にコミットせざるを得なかったのか。
  8. コーカン特別区で当時の住民、少数民族幹部、主席、そして国軍の発言とその背景を紹介することで、コーカン民族勢力を取り巻く状況と変遷について、報告します。
  9. 問い合わせ先: 藤田幸一 (東南アジア研究所)
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