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Center forSoutheast Asian Studies Kyoto University

研究所紹介

所長からのメッセージ


所長:清水 展

私どもの研究所は、関連する諸学会・諸団体から多大なご支援をいただき、おかげさまで昨年、「東南アジア研究の国際共同研究拠点」として、文部科学省より共同利用・共同研究拠点の認定を受けることができました。拠点としての活動を今年度より開始するにあたり、東南アジア研究のさらなる発展のために、なおいっそうの貢献をしたいと所員一同が心から願っております。

現在、東南アジア地域の重要性が格段に増しております。東南アジアは熱帯に位置し、旺盛な太陽エネルギー供給に支えられた豊富なバイオマス資源を有しており、化石燃料に代わる新たなエネルギー源の所在地として注目されています。また、同地域は、ベトナム戦争をはじめカンボジア内戦、中越戦争など30年におよぶ熾烈な国家・民族間の対立と実際の紛争を克服し、今やEUよりもはるかに多い6億の人口を有するASEANとして、きわめて重要な政治経済アクターとなっています。大陸部では仏教を基盤としつつインド世界と中国世界に接合交流し、島嶼部にはイスラームとキリスト教世界を内包し、諸文明・多民族の共生と交響をとおして社会発展を実現してきました。

そうした差異と多様性に満ちたダイナミックな東南アジア地域を対象としているゆえに、私どもの研究も、一方で個別具体的な課題と現場をしっかりとふまえつつ、他方で比較と総合をとおして全体像を描くことをめざす必要があります。そのための共同研究を国内外で推進してゆくことが私どもに課せられた責務であると痛感しております。

私どもの前身である京都大学東南アジア研究センターは、1963年、日本における地域研究のパイオニアとして設立されました。当初より、人文・社会科学のみならず、農学・生態学・ 医学などの自然科学を組み込み、フィールド・サイエンスと文理にまたがる学際共同研究を重視するという点で、アメリカなどの地域研究と異なるユニークな特徴をもっていました。

文理融合のアプローチによる研究の一端としてご紹介したいのは、現在進行中のグローバルCOEプログラム「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」(2007~2011)です。昨年の中間評価において、研究の顕著な進展が高く評価され、特に優れている拠点に選定されました。また研究の成果を広く世に問うために、杉原薫・他(編)『地球圏・生命圏・人間圏―持続的な生存基盤を求めて―』(京都大学学術出版会,2010)を刊行いたしました。

今後は、このプログラムをいっそう強力に推進してゆくとともに、東南アジア地域に関する研究を国際的な連携と協力のもとで広く深く進めること、できれば同地域が直面している問題や困難、あるいは可能性と希望について正面から取り組んでゆくことが、私どもに期待されている責務であると自覚しております。アジア研究教育拠点事業(2009-2013)などとも連携しながら、そうした期待に所をあげて応えてゆきたいと思っております。

そのためにも、内外の東南アジア研究者個々人やコミュニティから、引き続きましてご支援とご協力をたまわることができれば幸いです。

2010年4月15日