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Center forSoutheast Asian Studies Kyoto University

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科研費プロジェクト

「戦前期タイ・中国外交関係に関する基礎史料研究」
研究代表者:小泉順子

研究目的
1852年にシャムが北京に派遣した朝貢使節は、帰路太平天国の残党とみられる暴徒に襲われ、1854年に這這の体で帰国した。以来1世紀の間、シャムは中国と正式な外交関係を結ばなかった。他方シャムは1855年に締結したイギリスとの修好通商条約を嚆矢として、次々に欧米諸国と条約を結んでいく。
 近代タイ外交史は、この欧米との不平等条約の改正とそれに伴う領土割譲を中心的検討課題としてきたが、本研究は、同時期の外交関係なき時代のシャムと中国との交渉過程を、複数のアーカイブスに所蔵される史料から明らかにすることを目的とする。
 これまで看過されてきた当該課題の検討を通じて、欧米との関係を中心にした従来の外交史研究に対して、東・東南アジア地域に歴史的に形成されてきた広域地域秩序への視点の転換と新たな歴史像を模索する。