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Center forSoutheast Asian Studies Kyoto University

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過去のセミナー案内:19年度

2007年7月

「アジアの政治・経済・歴史」第1回研究会
「アジアの政治・経済・歴史」第1回研究会を下記の通り開催しますので、御案内いたします。
  1. 日 時:平成19年7月30日(月) 10:00〜11:30
  2. 場 所:京都大学東南アジア研究所 東棟1階会議室 E107
  3. 報告者:Professor Roy Bin Wong(Director, Asia Center, UCLA)
  4. 論 題:Public Finance in East Asia: National, Regional and Global Perspectives
  5. 昨夏のワークショップにも参加していただいたビン・ウォン教授の最近の関心を お話しいただきます。教授は、China Transformed: Historical Change and the Limits of European Experience (1997)において、ヨーロッパ史を相対化するグ ローバル・ヒストリー像を提出して注目され、以降グローバル・エコノミック・ ヒストリー・ネットワーク(GEHN)など、アジアから世界史を見直す潮流の代表 的な論客として活躍されています。
    東京に来られたところをつかまえたので、午前中のセミナーとなりますが、できるだけ多くの方に参加していただくようお願いします。
  6. コーディネーター:杉原 薫(CSEAS)
第四回「次世代の地域研究」研究会
本研究会は、地域研究に携わる若手研究者を全国から報告者として招き、世代と分野を横断する議論の場を設けると同時に、研究者同士のネットワークを構築することを目的としています。所属研究機関や学会内に留まりがちな若手の研究発表の場を広げると共に、有意義かつ刺激的な学問交流の場となることを期待しています。
本年度最初の今回の研究会では、「大陸部東南アジアの在地社会とヨーロッパの接触」について、宗教を切り口に議論を深めたいと思います。19世紀以降のベトナム史、カンボジア史を専門とする2人の若手研究者をお招きし、植民地勢力をとおしたヨーロッパ文明との接触が在地の社会にもたらした宗教文化の変容について、独自の史料にもとづく考察を披露していただきます。さらに、そこで生じた変化が、その後独立をへて近代国家の形成に向かう歴史のなかでどのような役割を負っていたのか論じていただきます。
オープンな研究会ですので、皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げております。また、今回の研究会は、東南アジア学会関西地区7月例会との共催となります。
  1. 日 時:平成19年7月21日(土) 14:00〜18:00
  2. 場 所:
    京都大学東南アジア研究所 東棟二階会議室 E207
    京都市左京区吉田下阿達町46 (川端通り荒神橋東詰)
  3. 話題提供者・タイトル:
    (1)牧野元紀(国立公文書館アジア歴史資料センター
         「阮朝ベトナム明命期におけるキリスト教社会の変容
         ―地方官の禁教令執行とトンキンのカトリックコミュニティ―」
    (2)笹川秀夫(立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部)
         「植民地期のカンボジアにおける対仏教政策と仏教界の反応」
  4. コメンテーター: 林行夫(京都大学地域研究統合情報センター)
  5. 要旨(1):牧野元紀(国立公文書館アジア歴史資料センター)
    19世紀、フランスによるベトナムの軍事侵攻・植民地化は、阮朝(1802-1945)のキリスト教弾圧政策に端を発する。本発表では、明命帝(位1820-41)政府の大弾圧にみられたトンキン(北中部ベトナム)のキリスト教社会の構造変容を、現地での弾圧政策の執行者である地方官との関係から明らかにする。
    分析の対象とする西トンキン代牧区は当時インドシナ半島で最大のカトリックコミュニティであった。17世紀半ばより、フランスのパリ外国宣教会(MEP)が管轄し、代牧区内ではナムディン地方とゲアン地方が布教活動の中心地であった。
    阮朝の成立以前、歴代政権の禁教政策に関して、両地方では現地官人の対応に明確な差異がみられた。通例、ナムディンでは官人の取締りが厳しく行われ、弾圧の被害を直接受けたのに対し、ゲアンでは地方高官が取締りに消極的で、管轄内のキリスト教勢力をしばしば保護した。本発表ではこの政治的傾向が19世紀前半の阮朝明命期にも引き続いてみられたことを明示する。MEP文書館所蔵の宣教師書簡資料を主要な一次資料として使用し、阮朝の欽定年代記である『大南寔録』をあわせて参照する。
    明命政権による弾圧の激化にもかかわらず、トンキンのキリスト教社会が命脈を保ったのは、キリスト教徒官人をはじめ地方高官から安定した保護を得て、教勢の持続的発展を成し得たゲアン教界の存立によるところが大きい。
    19世紀後半、ゲアンは教会勢力の中心地となる一方で、それに反発する文紳(在郷儒家)たちの活動も活発化し、ベトナム・ナショナリズム揺籃の地(ファン・ボイ・チャウ、ホー・チ・ミンらの出身地)となった。発表者の「ゲアン地域史研究」はまだ端緒についたばかりだが、ベトナム近現代史研究に新たな地平を開く可能性を秘めてい。
  6. 要旨(2):笹川秀夫(立命館アジア太平洋大学アジア太平洋学部)
    19世紀半ば以降、カンボジアの仏教界はタイ仏教からの影響を強く受けていた。
    こうした影響は、高い水準のパーリ語教育を受けるため、僧侶がシャムへ留学することが常態化していた点や、タンマユット派が成立直後にトアンマユット派としてカンボジアへ伝播した点などに見られる。20世紀に入ると、フランスの植民地行政当局は、カンボジア仏教とタイ仏教との紐帯を切り離す政策を推し進めた。具体的には、(1)僧籍証の携帯を義務化したことによる移動の管理、(2)パーリ語学校の設立、(3)仏教研究所の設立とクメール語訳を付したトリピタカの刊行事業があげられる。フランスの政策に呼応して、在来派のモハーニカーイ内部に若手の「改革派」というべき僧侶が出現し、「守旧派」と見なされた年配の僧侶との間に確執が生じていく。近年、モハーニカーイの「改革」を含めた新たな研究が英語圏でいくつか現われているものの、プノンペンの国立公文書館に収められた資料を網羅的に参照した研究はなされていない。本報告では、こうした新資料にもとづいて、カンボジアの仏教界が近代という時代にどのように向き合ったかを検討する。
  7. 問い合わせ:
    小林知(京都大学東南アジア研究所)
    e-mail: kobasa@cseas.kyoto-u.ac.jp 電話: 075-753-7169
  8. 代表: 遠藤環(京都大学東南アジア研究所)  
第14回映像なんでも観る会
  1. 日 時:平成19年7月20日(金) 16:00〜
  2. 場 所:
    京都大学東南アジア研究所 東棟2階・207室(第1会議室)
    http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/about/access_ja.html
  3. 主催:京都フィリピンフォーラム、映像なんでも観る会
  4. 再び、フィリピン映画の巨匠リノ・ブロッカの作品『Macho Dancer』を上映します。第二回映像なんでも観る会で上映した『マニラ、光る爪』後の作品です。男性ストリッパー「マッチョ・ダンサー」という職業を通じて、フィリピンの国内移動、貧困問題、政治腐敗など、さまざまな社会問題を映し出すたいへん評価の高い映画です。上映後には、文化人類学とフィリピン研究をご専門とし、Macho Dancerを含むフィリピン映画についても様ざまな形でコメントを寄稿されている清水展(京都大学東南アジア研究所・教授)さんをお招きし、コメントをいただきます。ぜひ、ご鑑賞ください。
    『マッチョ・ダンサー』(原題:Macho Dancer)
        監督:リノ・ブロッカ
        1988年製作/フィリピン/136min/タガログ語/日本語字幕
        http://en.wikipedia.org/wiki/Macho_Dancer
「国家・市場・共同体」研究会
  1. 日 時:平成19年7月6日(金) 15:00〜(2時間程度)
  2. 場 所:
    京都大学東南アジア研究所東棟2階 207室
  3. 講師:岡江恭史氏(農林水産省農林水産政策研究所)
  4. テーマ:ベトナム紅河デルタにおける人口移動と農家経済−ハイズオン農村の事例−
  5. 報告要旨:
    近年海外出来稼ぎを多く出している紅河デルタ・ハイズオン省ナムサック県(huyen Nam Sach, tinh Hai Duong)の村における海外出稼ぎを世帯への聞き取りによって、その出稼ぎがどのようなネットワークによって行われているかを分析する。あわせてベトナム国内の出稼ぎや非農業就業とも比較を行い、市場経済下のベトナム農民にとって出稼ぎという選択肢はいかにして選ばれるのか、またそれが農家経済に対してどのような影響を与えているかについて考察する。
  6. 問い合わせ:藤田幸一 (東南アジア研究所)
  1. 佐藤監督が急病で短期入院されたため、第13回映像なんでも観る会のプログラムを以下のように変更し、佐藤監督の2作品を観る会にしました。誠に申し訳ございませんが、どうかご容赦下さい。また別の機会に、今回上映する予定であった映像人類学また人類学に再考を迫る『イマジニング・インディアン』と『ルアッサンブラージュ』の上映と佐藤監督の講演会を実現できればと考えております
第13回映像なんでも観る会
  1. 日 時:平成19年7月4日(水) 18:15〜
  2. 場 所:
    京都大学吉田キャンパス工学部4号館4階大会議室(百万遍の交差点付近の京都大学入り口を入ってすぐ左手にある4階建の校舎です。法科大学院と同じ校舎ですその校舎全体の色は白で、4階部分がベージュとなっております。)
  3. プログラム:
    18時15分開場、18時30分開始
    1.『SELF AND OTHERS』上映
    2.『花子』上映
  4. 『SELF AND OTHERS』(監督:佐藤真、53分、日本、2000年)
    「'83年にわずか36歳で夭逝した写真家、牛腸茂雄。牛腸の写 真のまなざしは没後しだいに味わいを増し、人々の心をとらえていった。この映画は、牛腸ゆかりの地にたち、残された草稿や手紙と写真、肉声をコラージュし、写真家の評伝でも作家論でもない新しいイメージを私たちに提示する。
    佐藤真監督のコメント
    誰かが見た夢のような映画をねらった。牛腸茂雄さんの写真は牛腸しか人間関係が分からない私的な世界なのに私たちとも関係があるように見えてくるという不思議な世界。映画もそんな作品にしたかった。あまり難しいことは考えず、ボーッと見てもらえればうれしい。(2000年2月13日)」
    http://www.cine.co.jp/works1/selfandothers/ より
  5. 『花子』(監督:佐藤真、60、日本、2001年))
    京都府の南端、大山崎町に暮らす今村花子は、夕食の残り物を素材にした「たべものアート」の作家である。このユニークなアートの発見者である母・知左は、6年に渡って花子の「作品」を写真に撮り続けてきた。一方、定年退職したばかりの父・泰信は花子のアートを未だに「汚い残飯」と思っている。 花子は毎日作業所(乙訓ひまわり園)に通い、週末には絵画教室やバスケット、父とのお出かけを楽しむ。母はテニス、父は三味線、今村家の変わらぬ日常。今や今村家を出ようと決意している姉・桃子が語る花子との確執の日々。その中で、花子はひとり毎日変わることなく「たべものアート」を作り続ける。一人のアーティスト今村花子と、彼女を取り巻く家族の物語。
  6. ※会場・プログラムに関する問い合わせは、以下の問合せ先までお願いします。
    お問い合わせ先(kazuhiroarai2005kyoto@yahoo.co.jp[新井一寛])